オバマ政権の危うさ—ヨーロッパ・リベラルと「いきがり」の融合 |
シリアの暴虐な世襲独裁者バシャール・アサドの除去を目指してオフィスや自宅を攻撃するなり、化学兵器の集積所を攻撃するなり、いずれにせよ限定空爆に関して、これ程おおやけに右往左往するアメリカ大統領は見たことがない。
アサドも、安全な地下バンカーの整備や化学兵器の移動・隠匿に時間ができ過ぎて困惑気味だろう。
ホワイトハウスが最近公表した下の写真など、悪いが、「いきがっている」としか見えない。
オバマ大統領の「内向き志向」は明らかだが、彼の「内向き」は、財政的余裕が失われやむなくというのではなく、アメリカが「普通の国」である方が世界にとってもアメリカ人にとっても望ましいというイデオロギーが基底にある。
そしてオバマにおける「普通の国」とは、ヨーロッパ・リベラルが考える「普通の国」である。
それは「力を通じた平和」(peace through strength)や「政府が解決策ではなく、政府こそが問題」として規制緩和や減税を強調したレーガン革命を根底から覆そうとするものだ。それだけレーガン保守のオバマに対する反発は激しいものがある。
国家基本問題研究所では、昨日の企画委員会で、来年夏を目途に「オバマ政権下のアメリカと日米関係」(仮題)と題する一書(約10人で共同研究および執筆)を出すことを決めた。期待頂きたい。
足を机に載せ、ベイナー下院議長(共和党)と電話中。President Barack Obama talks on the phone in the Oval Office with Speaker of the House Boehner, Saturday, August 31, 2013. Vice President Joe Biden listens at right. (credit: White House photo/Pete Souza)
Feb. 4, 2009 “The President talks with aides during an impromptu meeting around the Resolute desk.” (Official White House photo by Pete Souza)