韓国と原子力規制委員会にほのかな常識の光 |
韓国と原子力規制委員会という、盲目的に日本の弱体化を目指す如き、常識を感じさせない集団から、久しぶりに理性の残存を窺わせるニュースが出てきた。
反日左翼からの巻き返し攻撃は熾烈なものとなろう。両集団内の良識派はひるむことなく、着実に正常化へ進んでもらいたい。
時事 2013/09/02
植民地支配を一部評価=保守派教科書合格で議論−韓国
【ソ ウル時事】「韓国の教科書は左翼的だ」と批判してきた保守派「ニューライト」系の学者らが執筆した「教学社」の高校歴史教科書が最終検定に合格し、2日、 閲覧が始まった。朴正熙元大統領の軍事クーデターや、日本による植民地支配を一部肯定的に記述しており、激しい議論が巻き起こっている。
教育省傘下の国史編集委員会は8月30日、申請のあった8社の教科書すべてが最終検定を通過したと発表した。韓国は2010年に国定教科書から検定制度へと移行し、11年度から新制度の教科書が使われているが、ニューライト系学者らが執筆した教科書が合格したのは初めて。
韓国紙 によると、教学社の教科書は、日本の植民地支配に関し、「新しい都市が、植民地的要求により交通・流通の中心地に成長した」「工業化が急進展し、近代教育 を受けた『新女性』が登場した」などと記述している。植民地化が韓国の近代化を促進したという「植民地近代化論」に基づくもので、植民地支配は「悪」との 認識が強い韓国では、これまで教科書にはこうした内容はなかった。
また、強権的な手法で反対派を弾圧したとして批判が根強い李承晩初代大統領や、朴槿恵大統領の父親である朴元大統領が率いた1961年の「5・16クーデター」を一部肯定的に記述。一方、北朝鮮に対しては「世界最悪の人権じゅうりん国家」などと厳しい表現を用いている。
革新系最大野党民主党は「歴代大統領の功罪を偏向的に記しており、歪曲(わいきょく)された歴史認識が助長される」と非難。逆に与党セヌリ党は「均衡の取れた歴史観が反映されている」と評価した。
時事 2013/09/02
「活断層でない」専門家一致=大飯原発、安全審査へ一歩−規制委
大飯原発の断層に関する専門家調査団の会合で、発言する原子力規制委員会の島崎邦彦委員長代理=2日午後、東京都港区 国内で唯一運転中の関西電力大飯原発(福井県おおい町)に活断層が ある疑いが指摘されていた問題で、原子力規制委員会の専門家調査団は2日、評価会合を開いた。メンバー5人は重要施設の下を走る断層(F−6破砕帯)につ いて、活動性が認められないとの見解でほぼ一致。座長役の島崎邦彦委員長代理は「認識の共有化が図れた。次回は評価書案を議論する」と述べた。
定期検査のため大飯3号機は2日夜、4号機は15日に運転を停止する。関電は早期の再稼働を目指し7月に安全審査を申請したが、規制委は断層調査で一定の見解がまとまるまで審査を保留している。調査団が「活断層ではない」との見解で一致したことで、審査入りに向け一歩前進したことになる。
規制委は日本原子力発電敦賀原発2号機(福井県敦賀市)直下に活断層があると認定し、東北電力東通原発(青森県東通村)についても調査団が活断層を認める見解を示しているが、活断層がないとの見解が出たのは大飯原発が初めて。
産経 2013/09/02
櫻井よしこ氏「原子力規制委、科学に徹すべし」
【櫻井よしこ 美しき勁き国へ】
いま国民の最大の関心事であり、国際社会が日本の原発の安全性を判断する基準として注目するのが福島第1原発(1F)の汚染水処理だ。
日々約400トン増える汚染水はタンク930基で33万トン規模に膨らんだ。タンクから汚染水が漏れ出し、汚染水の発生自体も止められないでいるのが現状だ。汚染水処理と汚染の発生を止めるという重要な2つの課題への取り組みで最も大事なことは、科学の視点だが、原子力規制委員会の田中俊一委員長は7月24日、こう述べた。
「多少なりとも放射能を含んだ水は排水しないと、1Fの始末はできない」「いろんな形で除染するとき、必ず汚染水が出る。排水基準以下になったものをある程度排出することは多分避けられない」
汚染水は海に流さないとの前提に立つ現在の対策の変更を示唆する発言に続いて「いまのレベルの濃度で出ているというか、定常状態でもかなり出ているところもある。施設によっては、日本だけでなくて外国でも」と語る。
基準値以下に希釈して排水の申請があれば認めるかと質され、「そういうことになろうかと思う」とも答えた。
実は氏の発言は少なからぬ専門家らに共通する考えである。この重要発言に続いて、氏はサラリと語った。排水となれば「風評被害などが起こる」、その手当ては別問題で「自分の所掌ではない」と。
1Fの汚染水は多核種浄化システム「アルプス」などで処理すれば、大部分の放射性物質は回収されるが、トリチウムは残る。トリチウムは水素の同位体で、化 学的な性質は水とほとんど同じであるため、回収や濃縮は不可能だ。これを北海道大学の奈良林直教授は、「1トンの水道水に1滴の井戸水を混ぜると井戸水だ けを回収できないのと同じ」という喩えで説明した。
だが、トリチウムを含む汚染水を海に流して大丈夫なのか。静岡県立静岡がんセンターの山口建総長は、トリチウムは水の形で取り込まれるため、全ての細胞に入り易いこと、トリチウムの元素はDNAの構成要素にもなること、DNA損傷のエビデンスはないが、影響を及ぼす可能性は指摘されていると語る。
その種の危険が指摘される一方で、処理水が現在も国際社会で排出されているのは、水の形で存在するトリチウムは人体にも魚介類にもほとんどとどまらず排出され、臓器に集まる特性は認められていないとされているからだ。
だが福島の汚染水は際限もなく続く原発のトラブルと原発への不信の象徴となってしまっている。その中で、世界で行われている排水が福島でも許されるのかが問われているのだ。
汚染水はまず何よりもその発生源を止めなければならない。それを監督するのが規制委員会の役割である。
従っていま重要なのは、40万年前に1回動いたか動かなかったかといった活断層の議論ではないはずだ。建屋の止水対策がしっかりできているかをこそ、真っ先に審査すべきだ。汚染水は、止水対策がしっかりしていれば発生しない。規制委員会が審査の優先順位を間違えているために、汚染水対策まで後手に回っているのである。
にも拘わらず、原子力規制委員会は原発潰しを目的とするかのような非科学的な活断層議論を現在に至るも展開中である。典型例のひとつが日本原子力発電敦賀原発2号機の真下を通る断層についてのそれである。島崎邦彦氏をトップとする専門家チームは同断層を満足に議論することもなく活断層だと結論づけた。
日本原電の公開質問状や異議申し立てに対して、島崎氏は「逐一答えるということではない。全体のことを理解していただくようにしたい」と言うが、全体を理解するためにこそ緻密な科学的議論が必要であろうに、不思議な反応である。
活断層か 否かを議論する中で、日本原電が提出した原発サイトの断面図がある。この図を島崎チームは縦方向だけ2倍に引き延ばして、立地するサイトの急傾斜を強調し ている。こんな小細工を弄(ろう)して得た結論に、チーム内部から強い非難が噴出したのは当然であろう。堤浩之京都大学准教授が「根幹にかかわるデータが かなり不足している」と批判し、藤本光一郎東京学芸大准教授は「学術論文には到底書けないもの」と、驚くほどあからさまな批判を展開した。
産業技術総合研究所主幹の杉山雄一氏も、規制委員会が「活断層」と判断した議論より、活断層を否定する日本原電の主張のほうが「合理的で可能性が高い」、「公平に扱っていない。なぜそう判断したのか、説明が抜け落ちている」とコメントしたが、島崎氏らはどう答えるだろうか。
国民にとっても世界にとってもいま必要なのは公正で科学的な議論だ。原子力規制委員会も傘下の専門家チームも全員が襟を正して科学に徹すべきである。
この原子力規制委員会の人選をした民主党は、原発事故の収束という「戦後処理」(田中氏)のような大問題の責任を東電1社に押しつけた。自民党はその路線の大転換を決定した。であれば、政府の責任において、科学に徹して処理を進めることに、私は期待したい。汚染水漏洩の元を断つ止水対策と貯まった汚染水の処理を含めて福島の復興をやり遂げない限り、日本の未来はないのであるから。