国民の理性を踏みにじり続ける鳩山由紀夫の安倍首相、沖縄知事批判 |
「個人の思いだけで、外交的な不安定を招き、日本の国益を損なう行為は、国に対する背信行為ではないのか」。—誰もが、鳩山由紀夫に対する国民大多数の批判と思うだろう。
ところが笑えぬことに、これは、鳩山氏が他に向けた言葉である。
「首相は靖国参拝をしないことが、日本の首相の責務であり」「日中政府間においても領有権の棚上げとともに合意事項であるのは歴史的事実」と鳩山は言う。
まず、尖閣諸島に関し「領有権の棚上げ」などという合意はない。元首相が「歴史的事実」とまで明言する以上、単なる「思い」や印象では済まない。
鳩山は首相在任時代に「合意」文書でも見たのか。それなら、特定秘密保護法違反に問われることを恐れず、具体的に言及すべきだ。その上で、法廷さらには獄中で闘い続ければよい。
歴代内閣は、領有を明確化する措置をためらい続けてきたが(そしてその点で責任はあるが)、「領有権」自体をゆるがせにした例は、鳩山以外にない。
靖国神社参拝に関し、首相、外相、官房長官の三閣僚は行かない、その代わり中国側も政治問題化しない、との裏合意が特定の政権時になされたという指摘は以前からある。
しかし、閣議決定も、いわんや国会決議も経たものではない。そうした「密約」は、まさに鳩山内閣が一掃すると約束したところではないのか。
引き継ぐ義務もない裏合意を、小泉首相が行動で修正したのは正当な行為だった。安倍首相の今回の靖国神社訪問も、何ら「合意」違反ではない。
沖縄県知事による辺野古埋め立て認可決定を「大多数の沖縄県民の願いを踏みにじるもの」との言葉が、迷走を重ねた挙げ句、「やはり辺野古でお願いするしかない」と国民大多数の理性を踏みにじり続けた元首相鳩山の口から出るとは驚きだ。
ストレスがない分、この男は長生きするだろう。
東アジア共同体研究所 2013-12-27
仲井真沖縄県知事 辺野古埋め立て承認を表明
仲井真弘多沖縄県知事が辺野古の埋め立てに正式にゴーサインを出したことは、名護市の市民をはじめ大多数の沖縄県民の「普天間県外移設」の願いを踏みにじるもので、まことに残念である。もちろん、こうなったことについては、私が総理在任中に「県外」を掲げて真剣に模索をしながら挫折せざるを得なかったという意味で、私にも責任の一端があるわけだが、しかし私は、総理を退き、また議員を辞めた後も、県民の皆様の気持ちに沿って、あくまでも「県外」の可能性を追求すべく活動してきたし、これからもそうするつもりである。
そのような立場から見て、今回の知事の決定がまことに不思議に思えるのは、「5年以内に普天間の運用停止」を主張しながら、それまでにはどう考えても辺野古の建設は9年半かそれ以上もかかってとうてい間に合わないから、「考え得る県外の可能性をすべて検討してほしい」としていることである。
5年後までに県外移設が可能であるのなら、辺野古着工は必要ないと考えるのが自然なことではないだろうか。しかも安倍政権は、「5年以内」を確約しているわけではなく、「これから米国と交渉してみる」と言っているにすぎない。交渉したけれど駄目だったということになって、すべては元の木阿弥になってしまうのは目に見えている。
結局、安倍政権は、力ずくで何が何でも辺野古建設を強行しようということである。その流れを止めるには、まずは1月の名護市長選で「辺野古NO!」の市民の意思をはっきりと示すことだろう。それでも安倍政権は強行に向かい、来年中にもこの問題は大きな山場を迎えることになるが、他方では、米財政難による海兵隊そのものの大幅削減案や、米政府・議会などでの「辺野古案は死んだ」という見方の広がりがあり、またハワイ、グアム・テニアンへの海兵隊丸ごと移転の要望も両州知事などから高まっている。辺野古建設の強行を回避し、本当の意味で「県外、国外」を実現するチャンスもまた高まっていることに注目したい。 (鳩山友紀夫)
東アジア共同体研究所 2013-12-27
安倍首相の靖国神社参拝にあたって
安倍首相は靖国神社参拝にあたり、「二度と戦争の惨禍で人々が苦しむことのない時代をつくるとの誓い、決意を伝えるためにこの日を選んだ」と説明し、「戦犯を崇拝する行為との誤解に基づく批判がある」「中国、韓国の人々の気持ちを傷つける考えはない」等と述べたが、全く理解不能である。終戦後、東京裁判によるA級戦犯が合祀されて以降は、天皇も靖国参拝を中止している。
首相は靖国参拝をしないことが、日本の首相の責務であり、アジア諸国に対する信頼の証しである。これは日中政府間においても領有権の棚上げとともに合意事項であるのは歴史的事実である。
安倍首相は傷つける気持ちがあるなしではなく、その行為そのものが大いに信頼関係を損なうことを歴史から学ばなければならない。
日中や日韓関係において、歴史認識や領有権に端を発する政治的な問題と経済、文化などを分けて考えようという機運が若干残されていたが、今回の参拝は大きく相手の信頼を失い、多方面に波及することは言うまでもない。また、日中、日韓関係は経済の成長戦略においても大きな意味があったが、それも微妙にならざるを得ない。
また、15万とも言われる中国における在留邦人に与える不安をどうやって安倍首相は払拭するのか。
私は政権の某閣僚から「国賊」と揶揄されたが、安倍首相のような個人の思いだけで、外交的な不安定を招き、日本の国益を損なう行為は、国に対する背信行為ではないのか。 (鳩山友紀夫)
産経
鳩山元首相「誠に残念」 辺野古埋め立て承認
2013.12.27
鳩山由紀夫元首相は27日、沖縄県の仲井真弘多知事が米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設に向けた名護市辺野古沿岸部の埋め立て承認を表明したことについて「沖縄県民の県外移設の願いを踏みにじるもので、誠に残念だ」との談話を発表した。
鳩山氏は「首相在任中に『県外』を掲げて真剣に模索しながら挫折せざるを得なかったという意味で、私にも大きな責任がある」と釈明した。
談話は鳩山氏が理事長を務める東アジア共同体研究所のフェースブック(FB)上に掲載された。