政治判断としても適切な衛藤晟一補佐官発言−「われわれの方が失望」 |
オバマ政権(とりわけ第2期)には外交理念も能力も、残念ながら欠けている。よくもこれだけ三流以下の人物を政権中枢に揃えたと感心するほどだ。
日本政府の誰かが、こうした「失望」をアメリカに向けて発信する必要があった。軽率な言動への抑止力となる。閣僚では角が立つかも知れない。首相補佐官というのはそれにふさわしい立場であろう。衛藤議員の発言は、政治的判断の点でも正しかった。
二日前(2月17日)には、来日中のエド・ロイス米下院外交委員長(共和党)が、安倍首相の靖国神社参拝は「中国を利するのではないか」と懸念を表したと伝えられた。
確かに中国共産党政権は、「歴史カード」を用いて日米に亀裂を入れるべく策動している。しかし、特にロイス氏の立場のような人がそれを無視すれば、日本の首相の靖国参拝は何ら「中国を利する」ことにはならない。北京の空振りに終わるだけだ。
「中国を利するのではないか」は、米側要路の人間こそが、発言に当たって自省すべきポイントだろう。
例えば、先に来日した保守派のホープ、マーコ・ルビオ上院議員(共和党)など、日本でも韓国でも、しっかりした戦略的判断に基づいた発言をしていた。
衛藤議員の今回の発信は、ロイス氏来日の直後というタイミングの点でも的確だったと思う。直接には民主党オバマ政権への苦言でありながら、共和党内のやや意識の弱い勢力への牽制ともなるからだ。
産経 2014.2.19
米国に「失望」 衞藤補佐官「真意は中国への言い訳」 首相の靖国参拝で
衛藤晟一首相補佐官が、安倍晋三首相の靖国神社参拝に「失望」との声明を発表した米政府について、動画サイトで「むしろわれわれのほうが失望だ」とコメントしていたことが19日、分かった。
これに関し、菅義偉官房長官は同日の記者会見で「あくまで個人的な見解だ。日本政府の見解ではない」と述べた。
衞藤氏は昨年11月に訪米し、米側要人に首相が参拝する見通しを伝え「理解してほしい」と求めていた。衞藤氏は動画で、米政府の「失望」の真意は、日中関係の関係改善を求める立場から「中国への言い訳として言ったに過ぎない」とも指摘した。
産経 2014.2.17
靖国参拝「中国利する」米下院外交委員長が懸念 与野党議員に伝達
米下院外交委員会のロイス委員長は17日、超党派の日米国会議員連盟で会長を務める中曽根弘文元外相と都内のホテルで会談し、昨年末の安倍晋三首相による靖国神社参拝について「中国を利するのではないか」と懸念を伝えた。参拝を機に中国が対日批判を強めているのを踏まえた発言とみられる。中曽根氏は「不戦の誓いのための参拝だ」と理解を求めた。
日韓関係をめぐり、中曽根氏は旧日本軍による従軍慰安婦問題に関し「事実に基づいて冷静に議論するのが大切だ」と指摘した。会談には議連副会長の井上義久公明党幹事長らが同席した。
ロイス氏はこの後、安倍首相とも官邸で会談。