北朝鮮の最高指導部に与えた誤ったメッセージを払拭せよ |
先の日本政府代表団ピョンヤン派遣は、予想通り、北朝鮮の国際宣伝戦に利用されるだけに終わった。
「北朝鮮の思惑に振り回されないようにしないといけないが、そういう傾向が出ている」と飯塚家族会代表が言うとおりだ。
「畳みかけるように」相手を追及すべきなのに、なぜそれが出来ないのか、という横田早紀江さんの苛立ちは、心ある日本人すべての思いだろう。
安倍首相は、今回の訪朝団について「拉致問題解決に向けた日本の強い決意を北朝鮮の最高指導部に伝えられた」ことを成果とするが、北の最高指導部が得た感触はむしろ、「安倍も甘い。ちょろいな」ではなかったか。
実際の安倍首相は甘くもちょろくもないが、外務省幹部に対北政策の主導権を委ねている限り、そうした印象はますます強まらざるを得ない。そしてそのことは、拉致被害者らの生命をも危うくする。
拉致問題解決に向けた安倍首相の強い思いは疑いようがない。それだけに、巧みに気を持たせながら、小出しに利益を得ようという相手の策略に足をすくわれない注意が必要だ。
国民の側も、軍事的解決という手段を封じられている日本の首相に、「早く解決を」と言っても限界があることを意識しておかねばならない。
安倍首相には、圧力重視の正道を行ってもらいたいと思う。
解決の時がいつ来るかは諸状況に拠る。揺るぎなく正道を行く限り、私は、当面の成果に関わりなく、その政権を支持するつもりでいる。
下記エントリ参照。
■価値観外交を危うくする「日朝」の罠
http://island3.exblog.jp/23693713/
産経 2014.11.8
【拉致再調査】
「子供を返せと何度でも言ってほしい」 横田早紀江さん、政府に粘り強い交渉求める
拉致被害者の早期救出を目指す集会が8日、群馬県みどり市で開かれ、横田めぐみさん(50)=拉致当時(13)=の母、早紀江さん(78)は拉致被害者らの再調査について、「『大事な子供を返せ』と何度でも言ってほしい」と政府に粘り強い交渉を求めた。
10月には再調査の状況を確認するために政府代表団が訪朝したが、具体的な成果はなく、次回の交渉日程も決まっていない。田口八重子さん(59)=同(22)=の兄で家族会代表の飯塚繁雄さん(76)は「北朝鮮の思惑に振り回されないようにしないといけないが、そういう傾向が出ている」と指摘。早紀江さんは政府に対し、「たたみかけるように『どうなっているか、まだできていないのか』と突きつけて」と訴えた。
拉致問題の進展がない中、被害者家族の高齢化が進む。めぐみさんの父、滋さんは14日に82歳になり、早紀江さんも加齢で声が出にくくなっているという。講演後の会見で早紀江さんは「非常に疲れていて、今年いっぱいは休ませていただきたい」と話し、夫妻で年内の講演活動を控える方針を明らかにした。