「死亡者リスト」は評価しないと明示すべし |
北朝鮮が「日本人死亡者」のリストを出してきて、それを日本側が「調査の成果」と評価して制裁の追加解除や食糧提供などで応じると、北に拉致被害者殺害のインセンティブ(誘因)を与えることになる。
下のインタビューでも答えたように、日本政府は、「生存者リストの提出とその人々の帰国」以外は一切見返りにつながらないとの姿勢を明示すべきだ。
福井新聞 2014年7月4日
「生存者リストの提出が最優先」 制裁解除で島田・福井県立大教授
日本が北朝鮮に独自に科している経済制裁を一部解除する方針を政府が決めたことについて、拉致被害者の支援組織「救う会」副会長の島田洋一・福井県立大教授は「生存者リストの提出と、その人たちの帰国が最優先。それが果たされなければ(方針を決めたとはいえ)制裁解除は行わないという姿勢で臨むべきだ」と強調した。
北朝鮮が示した調査委の陣容に対しては「言い訳できる道を封じたという点では一歩前進」と一定の評価をし、「いかに早く生存者リストを出させるかが重要。準備に時間がかかるなどと言わせてはいけない」と指摘した。
調査委の4分科会については「北朝鮮は遺骨問題を優先させて、まず金を出させようとするだろうが、日本は拉致問題を優先させるべきだ」とした。終戦前後に現在の北朝鮮地域で死亡した日本人の遺族が慰霊のために訪朝していることを挙げ「現在は北朝鮮のペースで進んでいる。生存者帰国につなげる日本のペースになるよう巻き返してほしい」と求めた。
また、福井県特定失踪者家族会の澤香苗代表は「調査がどう実行されるかが問題。調査開始後1週間ぐらいで経過を見極める必要がある。日本政府は、もうごまかしはできないと北朝鮮に言っていくべきだ」と話した。
さらに「被害者の安全が確保されているかどうか、現地で確認してほしい」と求め、「ここまできたら急ぐよりも正確な調査が行われ、被害者が安全に戻るようにしてもらいたい」と訴えた。