清華大学国際関係院長のインタビュー-中共のtalking points |
中国共産党は、速やかにかつてのソ連共産党の運命を辿らせばならず、「世界は中国と米国の2極化に向かう」状態など許してはならないが、ともあれ、中共側の準公式コメントとして参考になる。
時事 2014/05/04
「安倍氏は誰と戦いたいのか」=日中対抗に米の思惑も-閻学通氏・集団的自衛権
中国・清華大学当代国際関係研究院の閻学通院長は時事通信のインタビューに応じ、日本の集団的自衛権容認の動きに懸念を表明した。日米の対中政策に警戒感を示し、日中関係の重要性に言及した。一問一答は次の通り。
-集団的自衛権容認の動きをどうみるか。
集団的自衛権の行使容認は、実際には日本が自発的に戦争をする権利を回復することだ。中国は安倍晋三首相に「誰と戦争をしたいのか」と問わざるを得ない。現在の状況から(相手は)中国だろう。中国が非常に警戒し恐れるのは、大戦時の日本の対中侵略を忘れることができないからだ。誰にもぶたれていないのに、他人をぶつ権利を持つ。問題の核心はここにある。
戦争発動の権利を持たない現在の日本が、地域の平和を脅かすと言う人は少ない。だが、戦争を発動でき首相がそれを決める権利を持つなら、平和を脅かすことがないとは言えない。
-米国は日本の集団的自衛権を支持している。
ここ数年、日米同盟には大きな変化が生じている。中国は日米同盟に反対するのではなく、中国を敵として扱うことに反対するのだ。
米国は自らの実力が相対的に衰え、自国だけでは軍事的に中国を抑える力がないと認識し、日本に軍事的な責任を分担させたいと思っている。
また、世界の重心が欧州から東アジアに移りつつあることに留意しており、東アジアでの主導的地位を保とうとしている。自らだけでは保持しきれないため、日本を引き入れようとしている。
米国には長期的な考えがあると思う。東アジアの経済一体化を実現させず、日本と中国を競争させる。欧州でロシアとドイツ、フランスが競争し、米国が主導的地位を保っているように、米国が東アジアで主導的地位を保つには、中日間の対抗が必要なのだ。
-集団的自衛権の行使容認は、日本や日本人にとって危険か。
欧州の人は東アジアが安全ではないと考えているが、欧州では冷戦終結後、コソボなどで戦争があり、最近もウクライナ危機が起きた。一方、東アジアでは長く平和が続いている。自国の戦争参加を望むのか、何十年も戦争に参加していないのを良いことと思うか、日本国民が決めることだ。
-10年後の世界の勢力地図は。
世界は中国と米国の2極化に向かう。その過程で中国は、ますます国際社会から新興の超大国と見なされるようになるだろう。
-日中の対立を解くカギは。
個人的には安倍政権の間に中日の対立を解決できる可能性はないと思う。安倍首相が関係改善を望んでいないからだ。例えば集団的自衛権でも自らの政策の合法性を見いださなければならないが、首相は中日の対立が、この合法性の条件を提供すると考えている。その政策のもたらす結果は、中国にも日本にも良いところがない。
中国は非常に日本を重視している。中国にとって、日本の重要性は英独仏など欧州国家やインドをはるかに上回る。双方の経済だけでなく、東アジアの安全保障上の必要がある。さらに重要なのは東アジアの経済一体化だ。これが実現すれば、東アジアが世界の中心となるのが非常に早まるだろう。
◇閻学通氏略歴
閻学通氏(えん・がくつう)1982年黒竜江大卒、92年米カリフォルニア大バークリー校で博士号取得。新日中友好21世紀委員会の委員も務め、2010年清華大当代国際関係研究院院長。近著に「歴史の慣性 未来十年の中国と世界」など。中国の対外政策にも影響力を持つといわれる。61歳。天津市生まれ。(北京時事)

インタビューに応じる清華大当代国際関係研究院の閻学通氏=4月15日、北京市内の清華大

