「参戦勇士の名誉を傷つけるものだ」(パックネ発言)について |
韓国のベトナム戦争参戦を謝罪した金大中の「歴史認識を憂慮せざるを得ない。参戦勇士の名誉を傷つけるものだ」とした、野党党首時代の朴槿恵の発言は正しい。
もっとも、ベトナム戦争を「自由を守るための戦争」だったとする認識と、自由を抑圧し南侵を続けた首謀者ホー・チ・ミンの廟にわざわざ参拝、献花するという行動は矛盾するが、朴槿恵に理念や一貫性を求めても無駄だろう(東亜日報によれば、廟は休館日だったが、パックネの強い要望で開けてもらったという)。
韓国や中国共産党の歴史歪曲にひたすら「謝罪と反省」で応じてきた村山富市や河野洋平、外務省幹部らに対し、「参戦勇士の名誉を傷つけるものだ」との批判の声が政界から澎湃と起こらなかった日本政治は明らかに脆弱だった。今日の苦境は大部分、自ら蒔いた種である。
いま安倍政権のもと、はっきり、戦略的に巻き返さねばならない。
産経
ベトナム訪問の朴大統領 過去の戦争の歴史で謝罪せず
2013.9.10
【ソウル=黒田勝弘】ベトナム訪問中の朴槿恵大統領が過去の戦争の歴史について謝罪発言などまったくせず、ベトナム側も何ら要求していないことが韓国で話題になっている。10日付の新聞論調では、韓国が日本に対してしきりに「歴史直視」を要求していることと矛盾するではないかとの皮肉も出ている(ハンギョレ新聞社説)。
韓国は1960~70年代のベトナム戦争で米軍支援のため延べ30万人以上の部隊を派兵し、部分的に“住民虐殺事件”もあったとされる。ベトナム統一後、両国は92年に国交を結んだが、ベトナムは韓国に対し謝罪や反省、補償など一切求めなかった。
しかし2001年、金大中大統領がベトナム訪問の際、「不本意ながらベトナム国民に苦痛を与えたことを申し訳なく思う」と“謝罪”した。これに対し当時、野党だった朴槿恵ハンナラ党副総裁は「金大統領の歴史認識を憂慮せざるを得ない。参戦勇士の名誉を傷つけるものだ」と批判した経緯がある。
ベトナム派兵は父・朴正煕大統領(当時)の決断で行われたものだが、朴槿恵大統領は今回の訪問に際しベトナムの国父ホー・チ・ミンの廟参拝、献花の時を含め戦争の歴史にはまったく触れず、もっぱら経済協力問題に終始した。
中央日報は1面トップ記事で「父の時代の歴史に対する和解」とし「過去についての両国の成熟した立場と、間違った歴史認識にとらわれている日本を比較することになる」「日本への圧迫の意味もある」と奇妙な解釈を加えている。
朴槿恵大統領が謝罪をしなかった背景には、ベトナム戦争を米韓による侵略戦争とするベトナム側と「自由を守るための戦争」とする自らとの間に歴史認識の違いがあるからだ。
にもかかわらずベトナムが韓国に歴史認識の一致や謝罪、反省を求めず未来志向の協力関係を重視する“成熟”した態度は、日本ではなくむしろ韓国の対日姿勢に対する教訓であり“圧迫”になるものだろう。
一方、韓国マスコミはベトナムが60年以上も植民地支配したフランスに対して謝罪や反省、補償など一切求めていないことにはまったく触れていない。
朝鮮日報(日本語版) 2013/09/10
ホー・チ・ミン廟参拝した朴大統領、「過去」には触れず
朴槿恵大統領は9日、ベトナム最高指導部との会談に先立ち、ベトナム建国の父、ホー・チ・ミン元国家主席の廟(びょう)を黒のジャケットにスカートという服装で参拝した。
献花兵が朴大統領の弔花を廟の入り口に置くと、朴大統領は現地の慣習に従い、弔花上の「大韓民国大統領・朴槿恵」と書かれたリボンを整えた後、黙礼した。朴大統領は廟の内部も訪れた。
朴大統領は同日午後、主席宮で首脳会談を終えた後、チュオン・タン・サン国家主席の案内で付近にあるホー・チ・ミン元主席が生前使用していた執務室に立ち寄った。サン主席が朴大統領を同執務室まで案内したのも異例だった。
過去にホー・チ・ミン廟を訪れた韓国の大統領としては、1998年12月の金大中(キム・デジュン)元大統領、2004年10月の盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領、09年の李明博(イ・ミョンバク)前大統領がいる。金大中、盧武鉉元大統領は韓国のベトナム戦争参戦について謝罪し、李明博前大統領は廟を参拝しただけにとどまった。
朴大統領には、父親の朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領が1964年にベトナム戦争への派兵を決定したという「決まりが悪い因縁」がある。ベトナム戦争による特需は韓国経済発展の基盤になったが、両国の軍隊が銃を向け合ったことも歴史的事実だ。
朴大統領は7日夜、ハノイ入りした後、公の席では過去の歴史に触れなかった。サン主席は予定より20分延びた拡大首脳会談で、「真の友人が来た」「韓国は姻戚関係にある国だ」と述べた。背景には今年1月現在で韓国人と結婚したベトナム人女性が約3万9000人いることがある。
朴大統領は9日の共同記者会見で、「ベトナム国民に韓国国民の温かなメッセージを伝えたい」として、ベトナム語で「カムウン(ありがとう)」と述べ、発言を締めくくった。
朴大統領は同日、対外的にベトナムを代表するサン主席、党序列1位のグエン・フー・チョン書記長、行政を統括するグエン・タン・ズン首相、グエン・シン・フン国会議長という最高指導部4人と全て会談した。
ハノイ=崔宰赫(チェ・ジェヒョク)記者
東亜日報 2013/09/10
礼儀尽くしたホーチミン廟訪問、朴大統領がベトナム国民の心をつかむ
ベトナムを国賓訪問している朴槿惠大統領は9日、初の公式行事として、ハノイのホーチミン廟を訪れ、礼を尽くして献花をした。 ベトナムの国父と呼ばれるホーチミン氏は、朴大統領の父親の朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領がベトナムへの派兵に踏み切った時、敵の首長だっただけに奇妙な縁とも言える。
朴大統領は、ホーチミン廟の入り口に近づき、ベトナム式の参拝儀式に従って、造花で飾られたリボンを廟前の弔花につけて礼を示した。 朴大統領は廟の中へ入って、中でしばらく黙祷をした。
毎週月曜日は、ホーチミン廟を公開しない日だという。 しかし、朴大統領が公式行事の初スケジュールとしてホーチミン廟を訪問したい旨をベトナム政府に伝えたため、特別に開放したという。 ベトナム側も労働報勲社会部長官が朴大統領を案内し、誠意を見せた。
朴大統領は同日午後、ベトナムのチュオン・タン・サン国家主席と会談した後、ホーチミン氏の生前の家を見学した。 同日、サン主席が参加した中、主席宮で行われた協定署名式や首脳会談結果発表の記者会見も、ホーチミン銅像の下で行われた。
朴大統領は前日、韓・ベトナム経済協力晩餐会では、ホーチミンの座右の銘である「以不変応万変(変わらずをもって万変に応ず)」に触れ、「友情と信頼が変らなければ、どのような変化と挑戦にも共に対応していける」と話した。 大統領府の関係者は、「朴大統領としては、今度の訪問期間中にベトナム国民と心を分かち合いたい気持ちをはっきりと示しただけに、ベトナム国民が尊敬するホーチミン氏に対し、できる限りの誠意を示したものだ」と説明した。