拘束される前のテロリスト排除―民間軍事会社の活用も |
人質の殺害を何とも思わないテロリスト・グループ―その非人間的冷酷さが生む恐怖(terror テロ)によって相手を「引かせる」のがそもそも彼らの狙い―に対して、「人命第一で交渉を」という発想は危うい。
人質を取られる前にいかにテロリストを無力化するか。アメリカのような民間軍事会社(米軍の元特殊部隊員を集めたBlackwaterなどが有名)による重武装警護なども考えるべきだろう。下記エントリ参照。
■ジョゼフ・フィンダーの犯罪小説 『失跡』
http://island.iza.ne.jp/blog/entry/1332424/
日経
「アルジェリア方式」 吹き飛んだ安全神話
2013/1/26
資源開発や工業生産を支えるプラント建設で日本は国際競争の先頭を走ってきた。新興国の成長に伴って資源確保は激化し、重要性は一段と増す。だがアルジェリア人質事件は厳しい現実を突きつけた。安全を確保しつつ海外事業を拡大することは、すべての企業が直面する課題でもある。
プラント建設の世界に「アルジェリア方式」という言葉がある。軍隊が建設や操業にあたる外国企業を守るスタイルを指す。1990年代にアルジェリア全土で吹き荒れたテロの下で、国家経済を支える資源輸出を続けるために同国政府が導入した方法だ。
この手法は当たり前のようで、実は画期的だ。安全確保は受注企業の自己責任が基本。アルジェリア方式はテロや争乱が隣り合わせのプラントビジネスで、最も確実な安全確保策とされてきた。
事件に巻き込まれた日揮の社員も「軍隊に守られて生活し、建設してきた」(川名浩一社長)はずだった。その安全神話は吹き飛んだ。
太平洋戦争ぼっ発直後、旧日本軍はスマトラ(現インドネシア)の製油所を真っ先に制圧した。設備の復旧・運営にあたったのが、日本の海外でのプラント建設の源流だ。以来、原油や天然ガスを掘り出したり、石油化学製品を生産したりするプラント建設で、日本企業は存在感を高めていった。
世界で開発が進む液化天然ガス(LNG)の製造設備は日揮と千代田化工建設の日本勢2社を含む4社が世界市場の8割を押さえる。日本企業は膨大な部品を扱い、多くの作業員を動員して納期通りに完成させることを得意とする。資源国の経済成長を日本勢の「お家芸」が支えている。
その勤務環境は過酷だ。原油や天然ガスの産地は多湿のジャングルや炎熱の砂漠にならざるを得ない。日揮は地元の人間も入らないリビアの砂漠でガス田を開発し、戦争や革命に揺れたイランでは逃げることなくプラント建設を続けた。
資源獲得競争は激しさを増し、産地はより奥地へ、より厳しい場所へと移る。そうした場所でプラント会社の技術者は日本のものづくりの技術を守ってきた。
事件があっても重要性は変わらない。韓国や中国勢が追い上げる中で日本企業が事件から学ぶべきはリスクから逃げることではなく、どう最小化するかだ。東洋エンジニアリングの永田雄志会長は「安全を追求していかなければならないが、ひるむわけにはいかない」と語る。
企業は先進国から新興国へとビジネスの足場を移している。国際協力銀行によると、2011年度に31%だった製造業の海外生産比率は15年度に38%に高まる。アフリカや中東などテロや争乱のリスクの高い地で働く日本人も増えていくだろう。痛ましい犠牲を繰り返さないために、政府と企業が一体となった情報収集や危機管理の体制見直しが欠かせない。(編集委員 松尾博文)

