日本の「危機突破」を阻害する「率原発」勢力 |
嘉田由紀子が主張するような、軽率に原発を止める「率原発」は有権者多数によって拒否された、そう強く主張する政治的意思を自民党には持ちつづけてもらいたい。
代替火力用燃料の輸入に毎年3兆円の国費をあたら浪費し、企業が電力料金値上げの負担と停電の不安を抱えていて、経済発展や好景気など望めるはずがない。
原発事故の被害とされるものの相当部分は、菅直人や、枝野幸男、細野豪志のような大衆迎合、愚民への媚びを事とする政治家がもたらした風評被害、人災である。安倍自民党はこの事実に、広く一般の注意を喚起せねばならない。下記エントリ参照。
■細野迎豪志の「福島」とペ・ヨンジュンの「家族」
http://island.iza.ne.jp/blog/entry/2952704/
なお、自民党内にも大衆迎合に走る議員は少なからずいる。幹部が彼らを厳しく律し得なければ、野党に対する迎合批判の矛先もいきおい鈍らざるをえず、「危機突破」は困難となろう。
産経
原発再稼働にはずみ、公明党は「ゼロ」を主張
2012/12/17
安倍晋三政権下のエネルギー政策の最大の焦点が原子力発電所の再稼働だ。安倍氏は「軽々に(原発を)ゼロにするとは言わない」と発言しており、再稼働にはずみが付くと期待される。ただ、連立を組む公明党が「速やかな原発ゼロ」を主張するなど、ハードルもある。
全国最多14基の原発を抱える福井県の西川一誠知事は17日、「国が安全確認で前面に立ち、責任を持った政策とエネルギーバランスを実行してもらいたい」とコメントした。エネルギー政策で迷走した民主党政権を念頭に、原発再稼働などに対する政府のリーダーシップを強く求めた格好だ。
「2030(平成42)年代の原発稼働ゼロを目指す」民主党に対し、安倍氏は、代替エネルギー確保が不透明なまま、原発ゼロを進めるのは「無責任」と批判する。燃料コストの増加に苦しむ産業界にも、民主党政権下では「絶望的」(電力大手幹部)だった原発再稼働が進むとの見方も広がる。
だが、再稼働へのハードルは低くない。来年7月に予定される原子力規制委員会の新しい安全基準策定までは、審査はできても、最終的な再稼働判断はできない。そもそも、規制委は、自民・公明両党の主張で政府から独立した権限を持つ「三条委員会」になった経緯がある。自民党は政権公約でも、「規制委の専門的判断をいかなる事情よりも優先する」としており、新安全基準に先駆けて再稼働を進めるのは困難だ。
さらに、規制委は現在、稼働中の関西電力大飯原発(福井県)など6原発で活断層の調査を進めており、これも再稼働の判断を難しくしている。政府内には、ねじれ国会の解消を狙う来夏の参院選までは、「再稼働に慎重にならざるを得ない」との見方もある。
産経
原発立地選挙区で自民圧勝 脱「脱原発」の流れ 菅、嘉田は負け認めず
2012/12/17
今回の衆院選で示されたもう一つの民意は、脱「脱原発」路線への期待感だ。原発再稼働について「3年以内の結論を目指す」とする自民党は、原発が立地する全国13選挙区のうち11選挙区を制した。柔軟な原子力政策を掲げる自民党の圧勝は、民主の「脱原発」や日本未来の党の「卒原発」といった理想論が、有権者から受け入れられなかったことを示している。
民主党で「脱原発」路線を主導した菅直人前首相が「当選」を決めたのは、開票開始から7時間余りも経過した17日午前3時すぎ。選挙区で自民元職に破れ、比例代表東京ブロックの民主党枠の最終議席にようやく滑り込んだ。菅氏は都内の選挙事務所で「全国の『原発をゼロに』と考える皆さんの執念で議席を与えてもらった。大変重い1議席だ。福島第1原発事故を経験した首相として、語り部になる」と語った。
とはいえ、民主の全国での負けっぷりは「脱原発」が票にならなかったことを如実に物語っている。
平成21年衆院選では、民主党は原発が立地する13選挙区のうち6選挙区を確保したが、今回、5選挙区を失った。選挙区で勝てたのは、東北電力女川原発がある宮城5区の安住淳幹事長代行だけだった。
北海道電力泊原発がある北海道4区では、原発事故をめぐる不適切発言で経済産業相を辞任した鉢呂吉雄選対委員長が落選。東京電力福島第1原発を抱える福島5区も前職が自民に議席を奪われ、同選挙区での公示第一声で「原発依存社会との決別」を宣言した野田佳彦首相の面目は丸つぶれになった。「原発銀座」の若狭湾がある福井3区も自民の圧勝だった。
このほか、未着工の中国電力上関原発を抱える山口2区でも、脱原発を訴えた平岡秀夫元法相がダブルスコアで落選した。
10年以内の完全廃炉を公約した未来も惨敗。嘉田由紀子代表の「卒原発」路線のブレーンである飯田哲也代表代行が山口1区に殴り込んだが、復活当選もできず落選。東北電力東通原発がある青森2区でも前職が前回より約4万6千票減らして惨敗した。
嘉田氏は「負け」を認めたくないのか、17日未明の記者会見で、「今回、(有権者の)最大の関心は雇用、経済の安定だったので、原発が選択の第一基準にはなっていない。推進の自民党が民意を受けたわけではない」と強調した。(加納宏幸)