カダフィの死と金正日―ボルトン回顧録より |
リビアのカダフィが野良犬のような死を迎えた。というのは問題で、何の罪もない野良犬にこのような死に方をさせてはならないが。
ジョン・ボルトン元米国連大使が回顧録で北朝鮮に触れた一節を思い出したので引いておく。
かつてイタリアの人々がムッソリーニを処理したように、ルーマニアの人々がチャウシェスクを処理したように、北朝鮮の人々は、いつか、金正日を処理する機会を得るのではないか。金正日の死は、汚らわしく、侮蔑すべきものとなろう。彼の一生と彼の体制同様に。それこそまさに、彼にふさわしいものだ。
(原文) Just as the Italians once dealt with Mussolini, and the Romanians with Ceausescu, one day the North Korean people may have the chance to deal with Kim Jong-il. His death will be dirty and contemptible, like his life and his regime, and it will be exactly what he deserves.
(John Bolton, Surrender Is Not an Option, 2007, P.313)
産経
【カダフィ大佐死亡】
「どうなっているんだ」 「ネズミ」に髪つかまれ小突かれる 独裁者、屈辱の末路
2011.10.21 10:52
約42年にわたってリビアに君臨した独裁者・カダフィ大佐。政権崩壊後も行方をくらまし続けた大佐は出身地の中部シルト周辺に身を潜め、空爆で脱出を阻まれた上、下水管に隠れているところを発見された。側近が降伏を申し出たが、ついには「ネズミ」とさげすんだ民兵らに髪をつかまれたり、小突かれたりの屈辱を受けて散った。連行される際に「どうなってるんだ」とつぶやく大佐。独裁者の末路の様子を、ロイター通信などの報道で再現した。
中東の衛星テレビが伝えた映像によると、カダフィ氏は顔面が血まみれで、自動小銃や短銃を持った民兵に囲まれていた。小型トラックのボンネット部分に押しつけられるように立たされた後、連行されていった。国民評議会は、銃撃戦で頭部に銃弾を受けたのがカダフィ氏の死因だと説明するが、ロイターは評議会高官筋の話として「生け捕りにした後、民兵が殺した。抵抗したのかもしれない」と伝えた。(共同)
時事
カダフィ氏は「殉教者」=欧米の暗殺と批判-ベネズエラ大統領
【サンパウロ時事】南米ベネズエラのチャベス大統領は20日、リビアの元最高指導者カダフィ大佐の死亡について、「彼は偉大な闘士、革命家、殉教者として記憶されるだろう」とたたえた。両氏は反米姿勢を共有し、かねて盟友関係にあった。
チャベス氏は「彼は暗殺された。また人の命が踏みにじられた」と述べた上で、「世界征服を求める帝国(米国)とその同盟国が、世界中に火を放っていることが一番悲しい」と欧米諸国の対応を強く批判した。(2011/10/21-07:19)
女性ボディガードを引き連れたカダフィ。生々しい遺体写真も目にしたが、この男の生前の風貌の方がグロテスクだ。