12/10 国際シンポ「流動化する北朝鮮情勢と救出戦略」より(2) |
前エントリのつづきである。12月10日に東京で行われた「国際シンポジウム 流動化する北朝鮮情勢と救出戦略」の全記録(救う会編)から、私の二つ目の発言を転載しておく。全文は下記サイトにある。
http://www.sukuukai.jp/mailnews.php?itemid=2442
◆日本は国連安保理常任理事国入りの努力をすべきでない
島田 先ほど触れた中国がらみで、日本政府がやってはならないことを1点だけ指摘したいと思います。政府は国連安保理常任理事国入りを「悲願」として掲げており、そのため常任理事国で拒否権を持っている中国の反発を買うわけにはいかない、中国に気を使わざるを得ないなどと言う政府関係者も少なからずいます。
いまアメリカでティーパーティーという運動が盛り上がりを見せています。彼らは外交政策に関してははっきりした統一目標を掲げていませんが、ただ1点、ティーパーティー参加者に共通しているのは、「国連、あんなものにカネを出すな」という発想です。アメリカ政府には削るべき無駄ややめさせるべき民間への介入が山のようにある、国連などは、さらにその上を行く無駄と余計な口出しの固まり、国際的天下り機関というべき存在であって、あんな所に米国民の税金を渡すなということです。
日本も、安保理入りしたいから中国に気を使うなど愚かをきわめた発想です。
ジョン・ボルトン元米国連大使の言葉を紹介しておきましょう。「国連は役に立
つのか」と聞かれたボルトンはこう答えた。
“Sometimes. Accidentally.”
「時々偶然にも」というわけです。もう一つ、国連総会と経済社会理事会の意義についてボルトン氏はこう述べています。
「単に酸素と紙を消費するだけの存在」
そんな空虚な場における地位を上げるために、しかも実現可能性が事実上ない話のために中国に気を使うといったバカなことは絶対してはならないと思います。
インドでの会議日程を終え、帰国前日に訪れた総大理石のタージ・マハール。デリー市内から車で片道約5時間かかった。