ヒラリー国務長官の「尖閣は日米安保の範囲」発言 |
下記ニュースについて
元航空自衛官(三等空佐)で評論家の潮匡人氏に聞いた話だが、以前、日米防衛事務レベル協議の席上、日本側が「次に、日本へのテロ攻撃が発生した場合の日米共同対処について話し合いたい」と述べたところ、米側から、そのぐらい自分で対応してくれと撥ね付けられたという。当然だろう。
昨日、ヒラリー国務長官が、記者会見の場で初めて、尖閣諸島は日米安保条約第5条の適用範囲に入ると明言した(”Let me say clearly again that the Senkakus fall within the scope of Article 5 of the 1960 U.S.-Japan Treaty of Mutual Cooperation and Security.”)ことがニュースになった。
が、安保条約の発動には幾つものしばり、条件がある。
まず、尖閣諸島が「日本国の施政の下にある領域」でなくなれば、適用範囲からはずれる。中国は、安保発動の要件となる「武力攻撃」以外のあらゆる手段を動員して実効支配を狙ってくるだろう。
さらに、武力攻撃を受けた場合でも、日本が手をこまねいているなら、米軍が動くという保証はない、というよりまず動かないだろう。
特に、日本政府が普天間合意を事実上反故にし、ただ海兵隊を邪魔者扱いする状況下、「そんな国が、自ら守る意思もない離島のために、なぜうちの息子の命が危険にさらされねばならないのか」と私が米軍兵士の父親なら、国防長官宛てに手紙を書くだろう。
結局ヒラリー発言は、現在尖閣諸島は日本の施政権下にあると認めた、という以上のものではない。今後については、まずは日本自身でしっかり対応してくれという話だ。
イザ!ニュース
「レアアースの供給多角化」「尖閣も安保条約適用」「TPP歓迎」 日米外相、中国牽制
2010/10/28 22:34
前原誠司外相は27日夕(日本時間28日午後)、クリントン米国務長官とハワイで会談……。クリントン氏は会談後の共同会見で、沖縄県・尖閣諸島が日本防衛義務を定めた日米安保条約5条の適用対象になると重ねて表明。日米協調のアピールで、中国側を牽制した形だ。
会見で、クリントン氏はレアアースに関し「供給源が一つでは災害などが起きたときに供給が止まってしまう。世界がもっと供給源を追求すべきだ」と指摘。尖閣諸島では「安保条約5条の範囲に入る。日本国民を守る義務を重視している」とした。記者会見の場での明言は初めてで、前原氏は「勇気づけられた」と応じた。……(共同)
Joint Press Availability with Japanese Foreign Minister Seiji Maehara
Hillary Rodham Clinton
Secretary of State
Kahala Hotel and Resort
October 27, 2010
……
SECRETARY CLINTON: Well, first let me say clearly again that the Senkakus fall within the scope of Article 5 of the 1960 U.S.-Japan Treaty of Mutual Cooperation and Security. This is part of the larger commitment that the
■日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約
第五条 各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従つて共通の危険に対処するように行動することを宣言する。(以下略)
【ついでに】
国基研で夜の会合後、よく流れていく焼き鳥店『どど』(平河町)の「やきとり(にんにく仕上げ)」。全体に刻みニンニクが厚く張り巡らしてある。好みは分かれるようだ。近辺は早めに閉める(10時~11時)店が多いが、ここは深夜2時まで開いているので、出張・宿泊組にとっては有り難い。