北朝鮮飢餓-庶民への「炊き出し援助」に消極的な国連幹部 |
下記ニュースについて
潘基文・国連事務総長が、また金正日政権への食糧供与に動き出したようだ。国連による「食糧支援」は、過去、もっぱら秘密警察(国家安全保衛部)の体力維持に流用され、邪悪な体制を延命させてきた。
参考のため、旧稿から一節を引いておく。
2003年2月、拉致被害者家族会の訪米準備を行う「先遣隊」として、福井義高氏(現・青山学院大教授)とともに、ワシントンとニューヨークを訪れた際の報告である。
『諸君!』2003年4月号より
……2月7日午後、……大島賢三・国連事務次長(人道問題担当〈兼〉緊急援助調整官)の部屋を訪れた。
大島氏は、日本人中、国連で最高地位にある者として、拉致問題でもできるだけの努力をしたい、と述べた後、国連による食糧配布モニターは着実に改善傾向にあり、北朝鮮側も誠実な対応を見せてきている、日本としても北朝鮮への食糧「人道」支援に積極的に貢献すべきだと力説した。
私の方からは、「あの体制下では、食糧は主に弾圧側の体力維持に使われていると見ざるをえず、援助には反対せざるをえない。ただし、金正日による人災・犯罪としての飢餓をめぐり、周りの国々が互いに非難し合うという図は愚かであり、日本政府による食糧供給には今後も強く反対するが、他国政府のやることに一々反対して回るつもりはない」との考えを述べた。
またその関連で、私が、たとえば北が国際的な炊き出し部隊を受け入れ、その場で確実に子供たちの口に入るというなら、いくらでも援助に賛成する、国連はそうした提案を北にぶつけるべきではないかと言うと、大島氏は、「彼らは、それなら飢え死にする方を選ぶといったプライドをもった人たちではないだろうか」と消極的な姿勢を示した。
が、これは妙な言い方で、「選ぶ」権限を唯一もっている金正日自身は、飢えとはほど遠い美食三昧の日々を送っている。むしろ「民衆を外の空気にさらし、食糧は外国から来ている事実を知らせるぐらいなら、飢え死にさせることを選ぶ」といった悪辣な連中によってあの国は支配されているというべきで、であるなら、現行のモニターなども裏からの操作で無力化されていると見るのが自然だろう。
なお、大島次長は、何のモニターもなされていない韓国政府から北への直接援助などは、軍に回っている可能性が高いとの認識を示し、この点では意見が一致した。
……
イザ!ニュース
北朝鮮870万人が飢餓に直面 国連報告
2009/09/05 10:59更新
国連の潘基文事務総長は4日、北朝鮮の人権状況に関する年次報告書を公表した。国連総会に提出したもので、2回目の核実験などで北朝鮮が国際的に孤立する中、国民への人権侵害が悪化していると指摘。国際支援の拒否などにより食糧不足も深刻さを増しており、約870万人が飢餓に直面しているとした。
報告書は北朝鮮政府に食糧支援の受け入れ再開を強く求めたほか、国際社会にも協力を要請。食糧問題の深刻さは国連食糧農業機関(FAO)などが再三警告してきたが、事務総長報告が詳しく取り上げるのは異例で、状況が急速に悪化しているとみられる。
また北朝鮮を脱出後、強制送還された国民への処罰のほか、公開処刑や拷問などの人権侵害行為をやめるよう求めた。(共同)
東京生活の長いある韓国人研究者に「ここは旨い」と連れて行ってもらった『韓国式居酒屋・勝負』(赤坂)の店先。金正日体制さえつぶせば、北の庶民にも、すぐこうした食事が可能になる。