西村眞悟の橋本首相追及とフォードの「ソルジェニツィン事件」 |
下記ニュースについて
拉致議連幹事長の西村眞悟氏(改革クラブ)が、厳しい条件下、善戦していると聞く。ぜひ勝ち抜いて、国会に戻ってもらいたい。
西村氏は、拉致問題で、最も早くから、継続的に政府を追及してきた。橋本龍太郎首相が、「多忙」を理由に官邸を訪れた拉致被害者に会わず、一方、「“花の女王”とニコニコ歓談」していた事実を追及した下記国会質問もその一例である。
なお、ロナルド・レーガンが、同じ趣旨で、当時現職のジェラルド・フォード大統領を揶揄したことがある。
1975年6月30日、国外追放となったソ連の反体制作家アレクサンドル・ソルジェニツィン(写真)を招いて、労組のAFL-CIOがワシントンで歓迎夕食会を催した。
フォード大統領(共和党)は招待を受けながら欠席する。それが保守派の大なる不興を買い、翌年の大統領選でフォードが、まず党内予備選でレーガンの肉薄を許し、本戦でカーター(民主党)に敗れる一要因となった。
この時、ボブ・ノバク(先のエントリ参照)が、キッシンジャー国務長官(兼国家安全保障担当補佐官)がフォードに当てたメモをすっぱ抜き、波紋を一段と広げた。
ノバクが回顧録で明かしたところでは、「非の打ち所がない」(unimpeachable)情報源は、パット・モイニハン国連大使(のち、ニューヨーク州選出の上院議員。民主党)であった。
メモによると、ソ連指導部に気を使ったキッシンジャーが、夕食会への参加は「政治的に問題(politically inadvisable)」とフォードにアドバイスした。
また、ジェームズ・シュレジンジャー国防長官、ドナルド・ラムズフェルド首席補佐官ら、問われれば大統領に出席を勧めたはずの人々は、この一件が国家安全保障会議(NSC。担当補佐官すなわちキッシンジャーが事務局長)の議題からはずされたこともあり、蚊帳の外に置かれた。
批判を気にしたフォードは、2週間後、作家が望むなら会う用意があるとソルジェニツィン側に伝えたが、政府当局者に会うためアメリカに来たわけではない、と肘鉄を食らう。ノバクは、「当然の軽蔑をもって拒否された」(rejected with deserved contempt)と評している(Novak, The Prince of Darkness, pp.261-263)。
この際、フォードの報道官が、大統領は会合予定を決めるに当たって「実質」(substance)を重視するから、と言い訳した。それを咎めたロナルド・レーガンが発したコメントが以下である(Novak, p.271)。
“For substance, the President has met recently with the Strawberry Queen of Virginia and the Maid of Cotton.”
(仮訳)実質に関して言えば、大統領は最近、バージニアの「イチゴの女王」や「綿花の乙女」と会っている。
第142回国会 予算委員会 第35号
平成10年6月12日(金曜日)
……
○西村(眞)委員 ……まず、北朝鮮の日本人拉致の問題。……抽象的に全力を尽くす等々の議論をしても仕方がございませんので、私が、往来をストップしたらどうか、送金をストップしたらどうか、こういうことは前の本会議でも申しました。もはや、具体的に何を決断されて、少々の波風が立とうとも、何を決断されるのかということをお聞きしなければならない段階に来ているのだと私は思っております。
……まず総理にお答えいただきたいのは、在日朝鮮人の往来をストップされる具体策を講じられるのか、在日朝鮮人の方々の本国への送金を停止されるのか、朝鮮銀行などの徹底的監査をされるのか、朝鮮総連等の活動を厳しく監視する指示をなされるのか、この四つについて総理のお考えをお聞きしたいと思います。
○橋本内閣総理大臣 ……今、議員から四つのケースという御指摘がございました。私は、そうしたお考えもあるということは承知をいたしておりますが、それぞれの法制について問題のあるところ、それを超えることは、やはり困難な問題は困難であると思っております。
その上で、私どもは、政府間における話し合いというものを、国交の正常化という観点から求めてまいりました。現在、極めてこれは難航いたしておりますけれども、これを政府レベルにおける話し合いの中に持ち込んでいかなければならない。しかし、相手側が応じてこない状況の中で、逆に、我々がとり得る手段というものは極めて限られた対応にならざるを得ないのではないだろうか、そのような危惧の念も持っております。……
○西村(眞)委員 ……総理大臣は、同じこの日本にいて、東京にいて、関東地方にいて、拉致された子供たちの帰国を待つ家族に会われたことはないと思います。政治を突き動かすものは理屈を超えた情でございます。情に突き動かされて、そして努力をする、閉じられた窓をこじあけていく、これが政治の努力を支える一つの情というものだと思います。
これは五月二十八日のことですが、『「花の女王」とニコニコ歓談』という総理の写真がございます。激務の中でこういう政争を忘れたひとときがあるということを、私も含めて国民の多くは、ある意味ではほっとしている一瞬があるんだなというふうに感じている方々がおりますが、拉致された家族の方々だけは、なぜこのような、このようなと言ったら申しわけないですが、花の女王とかいう方々とたびたび会われて、それが写真に、新聞に報道されているのに、なぜ我々と会ってくれないんだと、この日本国政府から疎外された気持ちを持っておるということはどうしてもお伝えしなければなりません。
昨年の八月二十七日、横田めぐみさんの御両親初め数名が、一カ月前から総理に面会してお願いしたいということを求めておりました、首相官邸に行けたのは八月二十七日でございました。そのときは官房副長官が会われたわけでございます。五十万以上の署名を持って、救出の日本人の署名を持って行かれました。
署名活動というものは組織立ってやったのではなくて、横田めぐみさんの御両親初め数名がやむにやまれず街頭で立っただけで、五十万がすぐ集まったのでございます。そして総理に、首相官邸に行って五十万の署名をお渡ししたいということで、一カ月待っておりましたけれども、八月二十七日に首相官邸に行って、総理には会えずに、官房副長官に会うことになりました。
しかし、総理は、そのときの日程は、官邸におられたのです。そして、八月二十八日付の新聞で、二十七日の総理の一日ということが出ておりますが、この先ほど紹介した五月二十八日の新聞にありますように、写真つきで、備前小町ら表敬ということで、総理もにこやかに写っておられる。そして、四時十五分には東京・三田の慶応義塾武道館に学生らと剣道のけいこに行かれた。そして、それから、ハーバード大学の学生らが来られていたから合同訓練で、そして六時二十分から彼らの送別会をしたわけです。総理のこの一日、横田めぐみさんの両親初め、すがる思いで官邸に行ったときに、総理は会う時間はあったのです。
……日本の国内で神隠しのように自分の娘や息子が行方不明になって、今北朝鮮におるということがわかった家族の心情を、総理はじかに接して聞くべきだと私は思う。
総理は本会議で、全力を挙げるとおっしゃられた。その全力を挙げる内容は何かと今私は申し上げた。しかし、総理の発言は、私が具体的に詰めていく、我が国が持っているカードを切るのか切らないのかという問題に関しては、詰めてお答えにならなかった。
したがって、政治を突き動かすものは情でございます。拉致された家族に会うということでございます。どうかこれから、短時間でも結構ですから、お会いしていただきたい。これはお願い申し上げますけれども、総理はお会いする気はあるのですか、ないのですか。
○橋本内閣総理大臣 ……日にちを特定され、その日の日程まで御紹介で、なぜ会わないのかという御指摘をいただきました。
私自身、その日、副長官がかわりにお会いをすることになっておった、そして御家族が見えるということを知っておったわけではありませんので、その非礼はお許しをいただきたいと思います。なぜなら、さまざまな面会あるいは日程と申しますのは、それは秘書官のところで整理をし、その中から取捨選択をされて日程が決まっていきますので、私自身、何日に何がということを前もってすべて存じているわけではありません。
その上で、私は、時期を今いつとお約束はできませんが、先日もファクスをいただいたところであり、タイミングを見てお目にかかることはここで申し上げたいと存じます。……
○西村(眞)委員 お会いする用意があるとおっしゃっていただいて、非常にありがたい。やはりじかに会っていただかなければ、最高責任者として全力を尽くすとまで言い切ったものの、本質がわからないのです。
ただ、今御答弁で残念なのは、備前小町さんとか花の女王のことはすぐ総理のところに行く。しかし、総理が外国元首に直接呼びかけるという異例な声明を発し、また全力を挙げるという、この拉致された日本人の救出という国家の重大問題についての情報は、総理に届かない。一つの官邸の欠陥ではないのでしょうか。問題意識の欠如ではないのですか、このように私は思わざるを得ない。そのような思いで聞いておりました。(橋本内閣総理大臣「いや、ちゃんとファクスをいただいたのを拝見しておりますということを申し上げたわけです」と呼ぶ)まあ、よろしい。
総理が先ほど、私の方は来られるということは知りませんでしたと。備前小町が来られるということは知っておられたのでしょうけれども。だから、総理には情報が届かない、国家の重大問題についての情報が。そのことを私は憂慮しておって、総理を非難しているわけではないのです。……
ZAKZAK 2009/08/22
“毒舌”西村真悟は台風の目…古巣民主を「偽装政党」
自民、民主と三つどもえの激戦
8・30総選挙で大阪17区(堺市中区、西区、南区)が注目されている。自民Vs民主の構図に改革クラブの西村真悟氏が絡み、三つどもえの激戦となっているのだ。弁護士名義貸し事件でミソをつけ、民主党を除籍された西村氏は「民主党は偽装政党」と、国防重視の硬派路線から古巣批判を展開。事件の後遺症は残るが、その“毒舌”は健在で、台風の目となっている。
「今の民主党は偽装された社会党。民主党が掲げる政策は村山富市談話を継承している。産地偽装です」
堺市内で開かれた集会で怪気炎を上げた西村氏。古巣に対する批判は辛辣を極める。
「鳩山由紀夫氏は総理大臣になっても靖国神社に参拝しないだろう。日本を愛さず、日本人の誇りも持たず、ただ政権にありつきさえすればいいという政党が権力を手にしたらどうなるか!」
西村ファンで埋まった会場は、やんやの拍手喝采。周辺は「民主党で縛られていたころに比べ、何より本人が楽しんでやっている」と奔放ぶりを語る。
民主党公認で出た前回総選挙は“郵政の風”にさらされ、1500票差で自民党の岡下信子氏に敗退、比例で復活を果たした。今回は組織に頼らない独自の戦い。北朝鮮の拉致事件などに言及してきた西村氏を支援しようと、全国から支持者が集まり、運動に参加している。「今年に入り、北朝鮮がミサイルを発射してから追い風が吹き始めた」と陣営。
懸念するのは、弁護士資格を失い、民主党から除籍処分を食らった弁護士法違反事件(2007年に有罪確定)。集会では「裏切らんといてや」との声も出るという。
くしくも民主党候補は弁護士の辻恵氏。ただ辻陣営は「事件を話題に乗せ批判しても、こちらの票につながらない」と静観の構え。むしろ「組織票を持つ自民党がこわい」と話す。
一方、自民党の岡下氏は前回9万票を獲得。今回も逆風の中、「一票でも多く取って勝つ」(陣営)と気合十分。基礎票3万ともいわれる公明党の協力を得て、与党票を固めたい思惑だ。
三者三様の戦い。果たして最後に笑うのは-。
【大阪17区】
△辻 恵61 民元
▲西村 真悟61 改前
▲岡下 信子70 自前
坂本 譲次62 共新