北朝鮮から鉄製の漂着船―海上保安庁・担当官に聞く |
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約1ヶ月前、北朝鮮からと見られる鉄製の船が石川県の海岸に漂着しているのが発見された。木製はよくあるが、鉄製は非常に珍しいという。
今朝、海上保安庁の担当官を招いた研究会に出た機会に経緯を聞いてみた。以下はその際のやりとり。
「あの鉄製の船は何だったのか?」
「船内に生活痕がなく、北朝鮮から長い時間を掛けて日本に漂着したものと思われる」
「鉄製の船でもレーダー等で捕捉できないのか?」
「海面が穏やかだと捕捉も出来るが、波が高い状態だと、小さい船の場合、なかなかレーダーに引っ掛からない」
北國新聞(石川県)
2009/01/20
ハングルの鉄製船、北朝鮮からか 白山、かほくに漂着
白山、かほく市内の海岸で今月中旬、北朝鮮からとみられる無人の鉄製の船が相次いで漂着していたことが十九日、石川県警警備部と松任、津幡両署、金沢海上保安部などの調べで分かった。県内では冬場に北朝鮮からとみられる木造船の漂着が相次いでいるが、鉄製の船はまれという。県警や金沢海保などは、係留されていた船が流された可能性もあるとみて、船体の分析を進めている。
調べでは、かほく市木津の砂浜で十三日、長さ約五・三メートル、幅約一・五メートルの鉄製の船が漂着しているのが見つかった。船は全体にさびが目立ち、遺留品はなかった。さらに十五日には白山市相川町の砂浜で長さ約五・五メートル、幅約一・五メートルの船が漂着しているのが見つかった。船尾部分にハングルで北朝鮮北部の都市である「羅津(ラジン)」の文字が記されていた。
県警と金沢海保によると、県内の海岸では例年、大陸からの季節風が吹く冬場を中心に、一年間に木造船が十隻前後漂着するが、鉄製の船が相次いで流れ着いたのは極めて珍しいという。
捜査関係者によると、二隻はいずれも平底で船首と中央、船尾の各部分に浮力タンクがあるなど、北朝鮮の船にみられるような特徴があった。いずれも海難事故による衝突の跡はなく、さびの付き方から数カ月以上漂流していたとみられる。