ワシントンで会った加藤大使(プロ野球コミッショナー) |
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加藤良三コミッショナーとは、同氏が駐米大使時代に、幾度となく面談の機会を得た。拉致問題に関して、熱心に動いてくれた人だったと思う。
小泉第一次訪朝の際は、計画を取り仕切った田中均外務省アジア大洋州局長の秘密主義のため、大使は、親交のあるアーミテージ国務副長官からの照会(時に追及に近かったらしい)に対し、苦しい受け答えを余儀なくされたようだ。
加藤氏から、「色々走り回ることが多く、大使というより小使ですよ。小使は“こづかい”と読んで下さい」という言葉を聞いたこともある。
サダム・フセインらの行動に関し、「アメリカは売られたケンカは買いますよ」との発言もあった。
いくらケンカを売られても買う気配のないクリストファー・ヒル氏らについてはどう解釈すればよいのか、やはりアメリカは多様ということだろうか。
イザ!ニュース
【スポーツ群像】加藤コミッショナー“外交手腕”にノムさんも有頂天? 近づくWBC監督の選定
08/9/28 19:52更新
プロ野球の加藤良三コミッショナーが12球団のフランチャイズを表敬訪問する行脚が27日、楽天の本拠地・Kスタ宮城で終了した。オリックスが京セラドームとスカイマークを併用しているため、計13球場を回った。訪問先では、ホスト球団の監督と懇談し、元外交官らしい話術で指揮官たちの心をつかんだ。(佐藤正弘)
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「おれの(通算)本塁打数を知っていたよ。657本。王(ソフトバンク監督)の868本はみんな覚えているけど、おれのを正確に知っている人なんて初めてだよ。びっくりしたわ」
初対面したコミッショナーの印象を問われ、楽天・野村克也監督は目元も口元も緩めた。加藤コミッショナーは本塁打数だけでなく、打点数や一般のファンはさほど意識していない塁打数まで諳(そら)んじていた。
前日の26日には日本ハム・梨田昌孝監督と会談。現役時代の盗塁阻止率や、監督としての勝率などがスラスラと口をついた。
セ球団のある関係者は「監督が自負しているであろう地味な記録まで知っている。びっくりするくらい野球に詳しい。それを目の前で直接、言われたら、(監督たちは)悪い気はしないよね」と話す。周到な準備があるにしても、加藤コミッショナーは根っからの野球好き。そうした雰囲気も指揮官たちに伝わっているようだ。
駐米大使時代は、米国の要人との会見時間が30分なら、最初の20分を野球の話に充て、残りの10分で本題に入ったという。「その方が(相手との距離が近くなり)結果的に通算の会見時間は増えるものですよ」。各監督への対応を見ていると、こうしたエピソードも納得がいく。
今回の行脚はあいさつ回りであり、各監督と込み入った話はしていないが、今後、何かを相談するときの地ならしは十分に済ませた。
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プロ野球界の喫緊の課題は、来年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の監督選考だ。一任されているこの件になると、加藤コミッショナーの発言は、極めて慎重になる。誤ったメッセージを送らぬよう、注意深くふるまうのは元外交官の性か。決して言質を与えず、個人名も口にしない。球界の有識者に相談はしているが、「人間関係、信義の基本として、だれと会い、どのような話をしたかは一切、申し上げられない」と繰り返す。
そうしたなかで、珍しく踏み込んだ発言をしたのは、第1回WBCで日本代表を優勝に導いたソフトバンク・王貞治監督についてだった。
「待望論があるのは、わかっていますが、(健康上の理由で)現役監督を退くと決断した気持ちを、くみ取らないといけない。試合を残して辞任を発表したところに、土足で荒々しく乗り込むようなまねはできない」
王監督は「できる範囲でサポートする」とアドバイザー的な形での側面支援は惜しまない考えだが、ユニホームを着ることについては「(辞任の)会見で言った通り、監督業は先頭に立って引っ張る人でないとできない」と一線を引く。両者は水面下で接触したことを認めており、意思確認は済んでいるとみていいだろう。
テレビやインターネットのアンケートで高い“支持率”を誇る野村監督との会談では、この問題は出なかった。「短い時間だったし、おれの南海時代の話に終始したよ」と野村監督。「(WBC監督の)話はまったくなかった。おれには(要請は)こないだろう」と続けた。加藤コミッショナーは「(訪問は)それとは別系統ですから」と関連を否定した。
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当然のことながら、WBC日本代表は監督の意向に沿ってチーム編成される。選手の側からすれば、誰が監督なのか、あるいはどの選手が出場しそうなのかが、出場を決めるに当たって大きなウエートを占める。
WBCはシーズンの開幕直前に行われる。控え選手になった場合、大切な実戦調整を十分にできないまま、ペナントレースに突入するはめになる。前回大会は初めての開催で未知数の部分が多かったため、選手の意思確認に時間を要した。米大リーグ所属選手との契約、コーチ陣の人選、キャンプ地の選定など早急に詰めるべき事柄は多い。
北京五輪で監督を務めた星野仙一氏、中日・落合博満監督らさまざまな名前が監督候補者として取りざたされてきた。プロ野球の議決機関である実行委員会の次回会合は、10月6日に開かれる。加藤コミッショナーは「(人選と実行委員会は)リンクするものとは考えていない」としているが、ひとつの目安ではある。決定は早いに越したことはない。
「WBCは2009年の4年後の13年にも開かれ、大事な行事であり続けるでしょう。どうすれば日本の実力を出せるチームをつくれるのか。球界全体で考えるべきことであり、わたしも考えることです」。7月のコミッショナー就任以来、最初の大きな決断を下すときが近づいている。