【報告】呆れ果てた福田“朝貢”外交の実態 |
昨日午後7時から、斎木昭隆・外務省アジア大洋州局長による日朝協議報告を聞きながら、その予想以上に無原則でナイーブな実態に呆れ返らざるを得なかった。
席上、私にも若干発言の機会が与えられたので、大要、次のように述べた。
北が、拉致被害者に関する「再調査」という、せいぜいジェスチャーに過ぎないものを約束した見返りに、こちらはただちに制裁解除し実利を与えるというのは明らかにアンバランスだ。
さらに、米国が北のテロ指定を解除しようかどうかという時期、日朝間に拉致問題で進展があったかのごとき誤ったシグナルを発したことも重大だ。要するに間違った外交だ。
斎木氏は「行動対行動の原則」、すなわち、相手が大きく踏み込めば、こちらも大きく踏み込む、小さく踏み込めばこちらも小さく、相手が後退すればこちらも後退云々と強調していた。
が、そもそも、北が誘拐して隔離している人々に関し、「再調査」(むしろ「再々々調査」か)など必要ない。再調査はおよそ「行動」と呼ぶに値しないものである。
しかも、斎木氏によれば、再調査に期限は切っておらず、次の会合の予定も決めていないという。
にもかかわらず、日本側は、昨日段階で制裁解除をすでに行ったというのである。
斎木氏の横に座った中山恭子首相補佐官が、「制裁解除はすでに実施した」とはっきり言うよう何度も斎木氏に促していた。
そして、政府は制裁の「一部」解除という表現をしているが、実態としては、大部分の解除という方が正しい。
中山氏が、「人道物資」を運ぶ目的で万景峰号が入港するのを認めることになったと説明したのに対し、斎木氏がすかさず、「いやすべての北朝鮮船舶に、人道目的なら、入港を認めます」と訂正していた。
斎木氏は「人道物資」について、「例えば毛布や食糧」と解説したが、政府上層部に北の機嫌を損ねないようにという姿勢がある以上、どこまでも拡大解釈が行われよう。
日本が先に制裁を解除してしまうと、北が、下手に「再調査」結果を出せば、日本側の怒りを買い制裁再発動がありうると考え、かえって「再調査」の先送りを図るのではないかと、飯塚耕一郎氏が危惧を表明していたが、もっともな懸念である。
福田氏が首相になった瞬間から、こうした、北朝鮮に貢ぐ、文字通りの「朝貢」外交への堕落がいつか訪れると思っていたが、北にとって、対米交渉上、もっとも都合のよいタイミングでそれが訪れたようだ。
それにしても、ここまで一方的な譲歩を恥ずかしげもなく行うとは、正直、若干私の予想を越えていた。

