日朝協議――最終防衛ラインは拉致議連 |
今週の11日、12日、北京で公式の日朝実務者協議が開かれることになった。
北朝鮮側の狙いは、アメリカにテロ支援国指定を解除させるため、拉致問題で、基本的には誤魔化しつつ、何らかの「進展」があったと印象づけることにある。
従って、いま、日本政府が最もしてはならないのは、「せっかく対話が再開されたのだから、これを切らせないため、とにかく『進展』があったかのごとく装おう」という態度に出ることだ。
それをやった途端、ワシントンでは、すかさずクリストファー・ヒル氏らが「ほら、日本も拉致問題で進展があったと言っているでしょう」と大いに喧伝し、一気にテロ指定解除の流れが加速するだろう。
まずは、最前線を担当する中山恭子・首相補佐官(拉致問題担当)、斎木昭隆・六者協議主席代表(外務省アジア大洋州局長)のラインで、北のありうべき奇襲攻撃をしっかり受け止め、押し返してほしいところだ。
もし、このラインが破られると(援護が不足すればそうなりかねない)、つづく第二ラインは、ほとんど無抵抗に近いほど弱い。
すなわち、私の経験から言って、現首相と現外務省事務方トップは、北との理念なき妥協に、いつでもふらふら動きかねないタイプだ。
功名心だけで日朝問題にうっとうしく絡みついてきている山拓あたりと、状況次第で、何の抵抗もなく連動するような気がする。
第一、第二ラインが破られれば、結局、最終防衛ラインを担当するのは、拉致議連(平沼赳夫会長)ということになろう。
私は、この最終ラインが、単に致命的失点を防ぐのみならず、反転攻勢のきっかけを作ってくれると確信している。