カニ漁禁止によるボディブローの意味 |
下記ニュースについて
山崎拓が3度目の訪朝(および首相の座)に意欲を見せているらしいが、北朝鮮も、仮に山拓に期待を掛けるようなら末期症状だろう。
日本が行うべきは、三流政治家を使者に立てての「話し合い」ではなく、経済的締め付けの着実な実施である。
北朝鮮に対する経済制裁は、この記事にもあるように(宮塚利雄氏のコメント)、まさにボディブローの連打のようなものである。
ボクシングの試合同様、相手は倒れる寸前まで効いていないふりをする。相手が平気を装うから、効いてないのではと疑心暗鬼になり、ボディを打つのをやめるというのが最悪の選択だ。
山拓あたりの感覚は、所詮その程度であり、福田康夫氏やブレーンたちが、引きずられないよう、厳しく監視していかねばならない。
ZAKZAK(夕刊フジ) 2008/01/04
http://www.zakzak.co.jp/top/2008_01/t2008010425_all.html
入漁料徴収し維持費に
日本人のカニ好きが、北朝鮮人民軍の海軍を潤わせていた実態が浮上している。
北では漁業全般を海軍が掌握しているが、カニ漁でも貿易会社に入漁料を支払う形を取りながら海軍が徴収、軍の維持費に充てていた。北水域内で実際にカニ漁に従事していた元水産業者が、夕刊フジの取材に証言した。
現在は制裁措置で水産物輸入とともに北水域での漁が禁じられており、専門家は資金源を失った海軍に大きな打撃を与えているみている。
「競争相手もなく、国内水域と比べられないほどたくさんとれた。船には北から監視員が乗り込み、北の『交通船』が漁場に案内してくれた。ロシア水域で密漁することを思ったらよっぽど安全ですよ」
北の排他的経済水域でベニズワイガニ漁を続けてきた鳥取県境港市の元水産業者は、北水域でのカニ漁のうま味ををこう語った。「東京にある貿易会社に1回の漁ごとに何百万円か納めていた。それでも水揚げは億単位に上り、割がよかった」
この状況について、北に対する中国当局の分析をまとめた『対北朝鮮・中国機密ファイル』のなかで、党中央の専門家は「朝鮮海域には非常によい漁場があり、境港市周辺の水産会社から船が入り、カニやイカをとって日本産として高く売っている。水産会社から朝鮮の国有貿易会社を通じて海軍に権利金が支払われている」と解説。
貿易会社は「実際は軍の会社」とした上で、「漁場の利権には軍最高幹部の息子が密かにかかわっている」と指摘する。
これに対して元水産業者は「お金が海軍に入っていたかは分からない。ビジネスと割り切ってやっていましたから…」と話す。
境港ではこの業者を含め、3社が北水域で操業していた。ベニズワイガニの水揚げ量全体の3分の1に当たる年間約3000トンの漁獲があり、推定約7億を売り上げる活況を呈した。だが、2006年10月に北が行った核実験が状況を一変させた。
当時の安倍内閣が北との交易を止める制裁措置を発動したことに伴い、水産庁が3社に与えていた北水域の操業許可を取り消した。「安全上問題だった上、制裁を徹底するため輸入と同じ意味を持つ北水域の操業を止める必要があった」(同庁)
売り上げを失った元水産業者は廃業に追い込まれた。北水域で操業していた別の大手が国内に引き上げたことで、あおりを食った別の国内操業業者まで廃業する事態になった。
国はこの2社に補償金を出したが、元業者は「わずかばかりの補償じゃまったく立ち行かない」とこぼした。
北海軍による水産ビジネスはこれだけにとどまらない。山梨学院大の宮塚利雄教授は「海上交通は軍事上非常に重要で、北海軍は漁船がいつ出港していつ戻るかまで管理している。軍関係者が港で待ち受けて、その日の収穫はまず軍に納められる」と説明する。
2002年に黄海で韓国軍と北海軍の間で50人以上が死傷した銃撃戦もワタリガニ漁をめぐるもので、北海軍が漁に同行していたため、これほどの衝突に発展したとの見方が有力だ。
北は「先軍政治」と称しながら軍隊がイモの栽培をして自活している状態とされる。水産ビジネスで自給自足をしていた海軍にとって日本の制裁は資金源を失う大きな打撃といえ、宮塚教授は「ボディーブローとして相当効果が出ているはずだ」と分析している。