北朝鮮・シリア・イラン枢軸 |
去る9月6日、イスラエル空軍機が、シリア領内に進入し空爆を行った。
この件に関し、アメリカのジョン・ボルトン前国連大使が、9月25日付『ウォール・ストリート・ジャーナル』掲載の論説「シリア、悪の枢軸に加わる(Syria Joins the Axis of Evil)」で次のように書いている。
北朝鮮がただちにこの攻撃を非難した。この北の行動は以下の疑問を呼び起こす。シリア内での攻撃の、一体何が金正日の注意を喚起したのか?
反イスラエル・キャンプの一角を占めるシリアに対する先制攻撃は、大規模な地域戦争につながるリスクをはらむ。しかし、イスラエルはあえて踏み切った。それをワシントンは黙認した。
これら一連の流れから、北朝鮮とシリアによる核兵器共同開発がシリア領内で進められていたのでは、という疑惑が追及されるに至ったのは自然なことである。
ボルトンは、さらに第三の当事者としてイランが関与している可能性も指摘している。
イランはシリアに対する影響力を強めてきており、核問題に関するシリア・北朝鮮間の協力がイランの同意なしに進められるとは考えにくい。ここでのイランの関与は不明瞭だが、自身の核計画を秘匿したいという動機の存在に鑑みれば、三者間取引の可能性もある。
ボルトンは、北朝鮮を、周辺諸国に対してのみならず「グローバルな脅威」と見なさねばならないと強調している。
北朝鮮・シリア・イラン枢軸の動きについて、本来、日本もスパイを送り込むなど、積極的な情報収集に当たらねばならないはずだ。