日朝外務省局長級会談−譲りすぎる過去の轍を踏むな |
日朝の外務省局長級会談といえば、これまで日本側が押し込まれ譲り過ぎるパターンが目に付いた。
今回は首相、拉致担当相がしっかりしているので充分歯止めは掛かると思うが、警戒しつつ見守りたい。
重要なのは、「行動対行動の原則」をあくまで守ることだ。
日本がさしあたって見るべき譲歩をしなくても、あるいは一旦事務レベルで約束したことを政権上層部が反故にしても、北朝鮮は必要と見れば接近し、自らカードを切ってくる。下記エントリ参照。
■日本が約束を違えても、北朝鮮は必要と見れば接近してくる—2008年の経験
http://island3.exblog.jp/22038947/
産経 2014.03.24
【朝鮮半島ウオッチ】「安倍首相、電撃訪朝?」日朝接近に神経ピリピリ 韓国・朴槿恵政権
北朝鮮の金正恩政権による対日接近の本格化に韓国が神経質になっている。北朝鮮の狙いは、孤立してしまった国際評価の転換や人道支援への期待などだが、韓国にとって日朝関係が南北関係より進展すると、統一問題を最優先政策にしている朴槿恵大統領のメンツにかかわる大問題なのだ。2002年の小泉訪朝時がそうだったのだが、北朝鮮は孤立すると対日接近してくる。というわけで、気の早い韓国からは「安倍晋三首相も電撃訪朝?」などと心配する声までささやかれている。(久保田るり子)
■金正恩政権、拉致問題はどこまで本気?
日朝政府間協議が1年4カ月ぶりに4月にも再開することが決まった。
「対話を求める北朝鮮の態度は予想以上だ」
今月上旬から始まった非公式協議で日本側は手堅い感触を強めている。“本気度”のひとつの根拠になっているのは、北朝鮮側の交渉陣に国家安全保衛部(秘密警察)幹部が出てきたことにある。
北朝鮮に留められている日本人拉致被害者の管理の実態は長い間不明だったが、ここ数年、「拉致被害者は居住地が移され、2008年ごろから国家安全保衛部の管理下にある」との有力情報もあり、首脳部に直結する保衛部が日本人拉致問題を主導していることがはっきりしてきた。拉致が動いた小泉訪朝も、日朝水面下交渉で北朝鮮を代表したのは「ミスターX」と呼ばれた柳京(リュ・ギョン)国家安全保衛部副部長だった。……
■北朝鮮の狙い、本丸は遺骨ビジネス?
とはいえ、北朝鮮側の“本気度”については、いまのところ懐疑的な声の方が優勢である。「戦術的な見かけ倒し」というのだ。北朝鮮の狙う“本丸”はあくまで日本人遺骨収集ビジネスで、この事業に日本政府を取り込み、ジャパンマネー獲得をもくろんでいるとの見方だ。
北朝鮮地域には終戦前後に同地域で死亡した日本人の遺骨約2万柱がまだ残っており、所在地もはっきりしていない。遺骨収集は人道問題であるため、日本政府は遺族らの渡航自粛措置を緩め、2012年8月から墓参と遺骨収集が民間レベルで始まった。
北朝鮮はこの「事業」に日本政府の正式参加を要求。今回の協議では日本政府による遺骨収集開始ついて協議が始まっている。
前回の赤十字協議で北朝鮮側は「遺骨の埋葬地の一部が都市開発の対象地域になっている」などと述べた。これは北朝鮮側が日本にインフラ整備などで資金提供を求めていることを示している。……