外務官僚より舛添要一がはるかに卑屈だった理由—対・朴槿恵(パックネ) |
〈韓国のテレビはニュースで、舛添氏が背中を丸めて笑顔でうなずきながら、朴氏の話に聞き入る姿を繰り返し流し、朴氏の話に舛添氏が全面的に共感しているかのような印象を際立たせた。会談に同席した別所浩郎駐韓大使は背筋を伸ばし、肯定も否定もしない態度で応じていただけに、舛添氏の“うなずき”は目立った。〉
従って、慰安婦問題でいえば、彼らには事実に踏み込んで韓国の虚偽主張に反駁する意志は全くない。しかし、歴代首相に謝罪談話を出させてきた、アジア女性基金を設立して元慰安婦に見舞金を提示してきたといった外務省主導の「功績」を認めない相手には隠微な反発を覚える。
それゆえ、朴槿恵政権による「日本は韓国少女の強制連行、性奴隷化を全く反省していない」云々のキャンペーンに対し、前半の事実認識(ここが実は肝心)は黙認するが、後半の「反省していない」については、「あれだけ反省の談話や文書を自分たち外務省が苦労して作ってきたじゃないか。それをなぜ認めない」と韓国側に相応の怒りを感じている。「会談に同席した別所浩郎駐韓大使は背筋を伸ばし、肯定も否定もしない態度で応じていた」の背後にはそうした事情があろう。
一方、舛添要一都知事の場合、重要なのは自分個人のポピュリズム(大衆迎合)的人気だけで、国の名誉も都民の名誉も日本外交の信頼性も眼中にない。しかも、何を「人気」と考えるかの判断基準が、非常に下卑た次元にあり、およそ品性とは無縁である。
こんな男しか候補に立てられなかった自民党は、改めて深刻な反省をすべきだ。
産経 2014.7.26
舛添氏の“うなずき”繰り返し流し「折れた安倍政権」印象付ける韓国メディア
【ソウル=加藤達也】韓国の聯合ニュースは25日、舛添要一東京都知事が朴槿恵(パク・クネ)大統領との会談で「日韓関係の改善のために努力する」とする安倍晋三首相のメッセージを伝えたことを速報した。韓国メディアの報道からは、安倍政権側が朴政権に折れ、冷え込んだ日韓関係の改善に乗り出しているかのように印象付ける狙いも垣間見える。
韓国大統領府などによれば、朴氏は、慰安婦問題の解決を求めたほか、「正しい歴史認識」という言葉を頻繁に使い、関係改善のためにはまず、日本側の努力が必要だと指摘。これまで通り、日本側に姿勢の転換を迫った。
公開された場面で、朴氏は、日韓関係悪化の原因は「一部の日本の政治家の不適切な言動」にあるとの認識を示した上で、日本側に「正しい歴史認識を共有すること」を求めた。
韓国のテレビはニュースで、舛添氏が背中を丸めて笑顔でうなずきながら、朴氏の話に聞き入る姿を繰り返し流し、朴氏の話に舛添氏が全面的に共感しているかのような印象を際立たせた。会談に同席した別所浩郎駐韓大使は背筋を伸ばし、肯定も否定もしない態度で応じていただけに、舛添氏の“うなずき”は目立った。
朴氏は、報道陣が退出した後も「正しい歴史認識に基づかなければ、真の意味の信頼関係を築くことは難しく、正しい歴史認識を土台とした真の信頼関係を」と強調し、「正しい歴史認識」に固執した。
「どの国にも領土と歴史があるが、領土は国民の体であり、歴史は国民の魂だといわれる。魂が傷つけば根本が揺らぐ」との考えも披露し、会談はさしずめ政治哲学の講義の様相を呈した。