千年恨み続ける朴槿恵ドクトリンの不毛 |
「加害者・被害害の立場は千年経っても変わらない」、だから日本を非難し続け、日本人の子々孫々に謝罪を求め続けるというパックネ・ドクトリン(朴槿恵原則)に基づけば、当然、朴正煕の独裁政権に弾圧されたと主張する韓国人は、娘の朴槿恵にいつまでも非難の目を向け、謝罪・反省を要求してよいことになる。
実際、韓国内の左右対立も、教育問題を巡って、また先鋭化の兆しを見せているようだ。愚かな自傷的ドクトリンという他ない。
日本を一方的に加害者、朝鮮民族を被害者と位置づける自己憐憫史観からの脱却をこそ、優れた指導者なら身をもって示さねばならない。しかし朴槿恵の場合、脱却の度合いは、おそらく韓国人の平均以下だろう。
北朝鮮崩壊という大変動に見舞われない限り、朴槿恵在任の残り4年半、日韓関係に新たな地平は開けない。
日本に大きなビジョンを持った安倍政権が誕生した時だけに、残念な話だ。
産経
韓国、国内でも歴史対立 朴大統領が偏向教育批判
2013/06/19
【ソウル=黒田勝弘】韓国の朴槿恵(パククネ)大統領が朝鮮戦争勃発63周年の25日を前に、「高校生への調査で(北朝鮮の武力南侵である)6・25戦争を(韓国が北を攻撃したという)北侵と答えた者が69%もいたとは衝撃的だ。教育現場での歴史歪曲は絶対にあってはならない」と述べたことから、韓国での歴史教育問題があらためて話題になっている。
問題の背景には韓国の現代史の見方をめぐって続いている左右の対立がある。朴大統領の発言は親北朝鮮の左翼系学者の影響が強い教育現場の現状を憂慮したものだが、この現状を正そうと保守派による「新しい歴史教科書」が近く登場する予定で、与野党対立の政界を巻き込んで歴史論争が始まっている。
朴大統領は日本に対しても繰り返し、「正しい歴史認識」を要求している。しかし、日本との歴史は「加害者・被害害の立場は千年経っても変わらない」と言っているようにどこか遠い感じだが、韓国自身の現代史の評価は、今に続く南北対立の原因になった朝鮮戦争の責任問題や、父の朴正煕(チョンヒ)元大統領の業績をどう評価するかなど与野党対立につながる現実的な問題だ。
韓国の歴史学界は北朝鮮を民族的で正統な政権とする親北朝鮮的な左翼系がいまなお優勢といわれる。学校でも“韓国否定”の左翼教育が幅を利かしているといわれ、保守政権の朴槿恵政権としてはこの際、学校での現代史教育を“改善”したいところだ。
一方で関心を集めているのが保守派による新しい高校の韓国史教科書。最近、検定を通過し8月に最終内容が確定するが、早くも左翼系学者や野党陣営は「李承晩(イスンマン)(初代政権)・朴正煕独裁美化!」などと非難。また日本統治時代についても「抗日闘士をテロリストと卑下?」などと問題視している。
関係者によると新教科書は日本統治時代について、これまでの「過酷な植民地支配とそれへの果敢な抵抗」だけという“暗黒史観”を排し、大多数の韓国人の実際の生活や努力、成果など多様な側面を盛り込んだものになるという。
日本支配から脱した後、解放後の現代史についても左右対立や反独裁・民主化闘争など政治中心ではなく、経済や文化的発展、国際的進出など幅広い視野での記述になるという。