鳩山訪中 ― もう一つの危険 |
鳩山由紀夫を海外に出してはならない理由は、公の場で国益を損なう言動をするからという以外にもう一つある。
相手の誘導尋問に掛かって、密室で何を喋らされるか分からないという点だ。仮にも数年前まで、首相として機密情報に触れる立場にあった人間である。相手にとっては、日本の手の内を探る得がたい情報源だ。
「鳩山さん、お互い官僚や側近が脇にいては腹を割って話せない。1対1でやりましょう。通訳はこちらで用意します」と囁かれた鳩山がふらふら密室に入っていく様を想像すると背筋に冷たいものが走る。
ロシアのプーチンなら、鳩山のような前任者がいれば、間違いなく毒殺するだろう。
冷戦期、まだCIAが健在だった頃のアメリカでも、おかしな元大統領を簡単に海外には出さなかったはずだ。ジョギング中に、脇から飛び出してきた別のジョガーにぶつかられ、腰を痛めて外遊断念くらいの「偶然の事故」は起こったろう。……
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鳩山由紀夫が米スタンフォード大学大学院に提出した博士論文のテーマは「システムの信頼性解析」だったという。
自分という「システム」の「信頼性」がまったく「解析」出来ない男が、一体何を研究していたのか。少なくとも自らを磨くのに役立たなかったことだけは間違いない。下記エントリ参照。
■鳩山由紀夫における大学生活と平野博文のさもしさ
http://island.iza.ne.jp/blog/entry/1608547/
産経
訪中の鳩山元首相 外相らに尖閣は「係争地」と発言
2013/01/17
【北京=川越一】「個人の立場」で訪中している鳩山由紀夫元首相は16日、北京で賈慶林全国政治協商会議主席、楊潔チ外相らと会談した。終了後、記者団に対し、沖縄県・尖閣諸島について日中間の「係争地」との持論を伝えたことを明らかにした。
鳩山氏は「日本政府は『領土問題は存在しない』というが、歴史を眺めれば分かる話だ。今係争が起きていることは事実で、お互いに認めることが大事だ。領土問題は存在しないと言っていたら、いつまでたっても答えは出ない」と述べ、日本政府の見解を真っ向から否定した。「棚上げ論」についても中国側の主張におもねった。
賈氏らは鳩山氏の発言に同意したという。ただ、鳩山氏が希望していた習近平国家副主席との会談は実現せず、中国側が鳩山氏の訪中が日中間の関係改善につながると期待していないことを物語る。
中国側が鳩山氏を招待したのは、親中的な同氏に自国の立場を吹き込み、特使派遣を検討する安倍晋三政権に圧力をかけるのが目的だ。17日、江蘇省南京市の「南京大虐殺記念館」に鳩山氏を招くのも、歴史問題に絡み同氏を利用する狙いがうかがえる。
産経
習近平政権の狡猾外交に利用された鳩山氏、日本の国益損なう
2013/01/17
【北京=矢板明夫】中国当局の招待で訪中した鳩山由紀夫元首相は、中国側の要人と会談した際に「尖閣諸島は係争地」と表明した後、旧日本軍の残虐さを強調する南京大虐殺記念館をも訪れた。沖縄県・尖閣諸島の問題をめぐり日中間の対立が深まる中、鳩山氏は中国の期待に応える形で自身が提唱する“友愛精神”を演出したが、一連の行動によって鳩山氏は習近平政権の狡猾外交に利用され、日本の国益を大きく損なったと言わざるを得ない。
そもそも中国がこの時期に鳩山氏を招待したのは、日中関係を修復させるためではない。鳩山氏が安倍晋三政権に対し全く影響力を持っていないことを中国側は承知しており、日本政府と対話するつもりなら、ほかに適任者はいる。日本への強硬姿勢を隠さない習近平政権には、鳩山氏の元首相という肩書を利用して、安倍政権が展開する対中外交の無力化を狙う目的があるとみられる。
現在、東南アジアを歴訪している安倍首相は、尖閣問題で中国の理不尽さを訴え、日本への支持を広げようとしている。このタイミングで、3年前まで日本の首相を務めた人物が中国の言い分に同調すれば、日本の世論が二分している印象を国際社会に与え、安倍外交の説得力を弱めることができるというわけだ。
同時に、今後の日中交渉のハードルを高くしようとの狙いもありそうだ。日本政府は、自民党の高村正彦副総裁を中国に首相特使として派遣しようとしている。その前に、中国にとっての“イエスマン”の鳩山氏との会談をはさむことで、「日本が中国の要求を受け入れた」との錯覚を国内外に与え、これから交渉する高村氏に対し、尖閣問題で譲歩を迫る圧力を加えようとしているようだ。
中国が公明党の山口那津男代表を招待したことも明らかになった。中国共産党と古くから友好関係にある公明党は、自民党よりくみしやすい相手だと中国側がみている可能性がある。山口氏から鳩山氏と同じような言質をとって、安倍政権の外堀を少しずつ埋めようとしている狙いもありそうだ。