韓国が河野談話を盾に橋下徹「妄言」を批判―新「慰安婦」談話案 |
下記は、「慰安婦が軍に暴行、脅迫を受けて連れてこられた証拠はない。あるなら韓国にも出してもらいたい」という橋下大阪市長の「妄言」を批判した韓国紙『中央日報』の記事である。韓国側がいかに河野談話を盾に取っているかがよく分かる。
河野談話を破棄修正した新官房長官談話の発表が急がれる所以だ。次期政権は、それを最優先課題の一つに据えた政権でなければならない。
侮蔑を込め、河野談話を下敷きにした新談話案をまず掲げておく。本物の河野談話は末尾に参考資料としてある。なお、下記エントリ参照。
■韓国人による優れた慰安婦論(再掲)
http://island.iza.ne.jp/blog/entry/253192/
■韓国人フェミニスト(朴裕河)による、慰安婦問題についての正論
http://island.iza.ne.jp/blog/entry/211136/
河野談話調査結果に関する
内閣官房長官談話
平成25年2月11日
いわゆる河野談話問題については、政府は、昨秋より、調査を進めて来たが、今般その結果がまとまったので発表する。
今次調査の結果、宮沢喜一内閣以来、長期に、かつ広範にわたって無責任かつ浅はかな対応が重ねられ、「先制降伏」とその後の逃げの「反論」(①日本は繰り返し謝罪と反省の弁を述べている②朝鮮女性20万人強制連行という数字は過大である)が相手の理不尽な武装解除要求を一段とエスカレートさせ、国益を大きく損ねた事実が認められた。
河野談話は、当時の韓国当局の要請により作成されたもので、談話の作成、聖典化及び見直しの封殺については、わが国歴代内閣や外務省の幹部が直接あるいは間接にこれに関与した。
事実に基づかない慰安婦「強制連行」神話の定着については、韓国側の要請を受けた政権与党の政治家や外務官僚が主としてこれに当たったが、その場合も、甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して進められた事例が数多くあり、更に、朝日新聞はじめマスコミ等が直接これに加担したこともあったことが明らかになった。
いずれにしても、本件は、わが国歴代内閣、与野党議員、官僚機構の関与の下に、多数の旧日本軍関係者の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である。
政府は、この機会に、改めて、その出身地のいかんを問わず、いわゆる皇軍兵士として国に尽くし、数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われた上、河野洋平はじめ国際的誹謗中傷に荷担した亡国の徒らの言動でさらなる傷を負われたすべての方々に対し心からお詫びと反省の気持ちを申し上げる。
われわれはこのような歴史の真実を回避することなく、むしろこれを歴史の教訓として直視していきたい。われわれは、歴史研究、歴史教育を通じて、こうした事実の歪曲と国益毀損に至った経緯を永く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意を改めて表明する。
中央日報日本語版
「慰安婦強制動員の証拠出すべき」橋下大阪市長が妄言
2012年08月22日
大阪市の橋下徹市長が、日本軍慰安婦制度の強制性を否定する発言をした。共同通信は21日、橋下市長がこの日李明博(イ・ミョンバク)大統領の独島(ドクト、日本名・竹島)訪問に対する取材陣の質問に答えながら「慰安婦が軍に暴行、脅迫を受けて連れてこられた証拠はない。あるなら韓国にも出してもらいたい」と話したと報道した。橋下市長は、「慰安婦制度は今から考えると倫理的に問題のある制度なのかもしれない」とし、韓国政府の主張を全て否定するものではないと付け加えた。
だが、こうした発言は慰安婦連行の強制性を認めた「河野談話」を正面から否定する日本右翼の主張を繰り返したものだ。
1993年8月に当時の河野洋平官房長官は、「慰安所は軍当局の要請で設置され、軍が慰安所の設置管理と慰安婦の移送に直接的・間接的に関与した。慰安婦の募集は甘言や強圧など本人の意思に反した場合が多く、官憲などが直接加担したこともあった」という内容の談話を発表し日本政府の介入を認めた。
だが、日本の右翼は「日本軍が慰安婦を暴行・脅迫した」という内容は含まれなかったとし、制度自体に強制性はないと主張してきた。 橋下市長のこの日の発言に対し、外交通商部のチョ・テヨン報道官は定例会見で、「われわれは日本政府が河野談話を通じすでに強制性を認めたものと考えている。直接的な立場表明はしない」と話した。政府や内閣の一員でない限り政治家の妄言にいちいち対応しないという意味だ。
弁護士出身の橋下市長は極右的な指向と独断的なスタイルで、「橋下」と「ファシズム」を合わせた「ハシズム」や「ハシスト」というニックネームを得ている。日本では次期首相候補として議論されるほど人気を得ている。
【参考資料】いわゆる河野談話
慰安婦関係調査結果発表に関する
河野内閣官房長官談話
平成5年8月4日
いわゆる従軍慰安婦問題については、政府は、一昨年12月より、調査を進めて来たが、今般その結果がまとまったので発表することとした。
今次調査の結果、長期に、かつ広範な地域にわたって慰安所が設置され、数多くの慰安婦が存在したことが認められた。
慰安所は、当時の軍当局の要請により設営されたものであり、慰安所の設置、管理及び慰安婦の移送については、旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した。慰安婦の募集については、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、その場合も、甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、更に、官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになった。また、慰安所における生活は、強制的な状況の下での痛ましいものであった。
なお、戦地に移送された慰安婦の出身地については、日本を別とすれば、朝鮮半島が大きな比重を占めていたが、当時の朝鮮半島は我が国の統治下にあり、その募集、移送、管理等も、甘言、強圧による等、総じて本人たちの意思に反して行われた。
いずれにしても、本件は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である。政府は、この機会に、改めて、その出身地のいかんを問わず、いわゆる従軍慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われたすべての方々に対し心からお詫びと反省の気持ちを申し上げる。また、そのような気持ちを我が国としてどのように表すかということについては、有識者のご意見なども徴しつつ、今後とも真剣に検討すべきものと考える。
われわれはこのような歴史の真実を回避することなく、むしろこれを歴史の教訓として直視していきたい。われわれは、歴史研究、歴史教育を通じて、このような問題を永く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意を改めて表明する。
なお、本問題については、本邦において訴訟が提起されており、また、国際的にも関心が寄せられており、政府としても、今後とも、民間の研究を含め、十分に関心を払って参りたい。