今野敏『転迷 隠蔽捜査4』、麻生幾『外事警察 CODE:ジャスミン』 |
麻生幾『外事警察 CODE:ジャスミン』は、細部に面白い点があり一応読ませるが、切れ味鋭い展開がなく、何となく錯綜したままで終わる。数年前に出た『エスピオナージ』も同じ印象だった。
処女作の『宣戦布告』(福井県を侵入舞台とした北朝鮮もの)に感心した記憶があり、また同氏原作のテレビ・ドラマが話題になっているらしいので読んでみたが、残念ながら期待はずれだった。才能は明らかなだけに、もう少し練り込んで、完成に時間を掛けるべきではないか。
今野敏『転迷 隠蔽捜査4』は、面白かった。外務省の現役職員およびOBが連続殺害される出だしから最後まで流れがある。こちらはプロの作家の力量を強く感じさせた。