「本題に入ろうじゃないか」―鳩山を遮ったオバマ |
ジェフリー・ベイダーの回顧録『オバマと中国の台頭』(Jeffrey Bader, Obama and China’s Rise, 2012)中、日本に関する部分に再度目を通した。ベイダーは、オバマ政権で2009年1月から2011年4月まで国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長を務め、現在は古巣の民主党系シンクタンク・ブルッキングス研究所に戻っている。一部引いておこう。
2010年4月、核安全保障サミットに出席のため、鳩山由紀夫首相が訪米した。米側は、「もうこの時期には、失敗に終わるだろうと分かっていた」ため、オバマ大統領との二者会談を設定しなかった。しかし、鳩山をオバマの隣に座らせる「夕食前懇談」はセットした。以下は、ベイダーが記すその際の会話である。
鳩山は、沖縄に関し自分がいかに難しい政治的立場に置かれているかを描写し始めた。オバマは遮って、言った。「本題に入ろうじゃないか。あなたは昨年11月、『トラスト・ミー』と言った。うまく対処するから信じてくれという意味だろう。私はなお、あなたがそうすると信じている。しかし、まだそうなっていない。すぐに、そうならねばならない」
(原文)Hatoyama began describing the difficult political position in which he found himself over Okinawa. Obama interrupted and said: “Let’s cut to the chase. You said ‘trust me’ last November, meaning trust me to work this out. I am trusting you to do so. It hasn’t happened yet. It must happen soon.”
北朝鮮や中国の振る舞いを見れば、国際社会の冷厳な現実を嫌でも思い出さずにおられない。「この感覚から懸け離れた首相を担いでいる余裕などないと多くの日本国民は判断した(Having a prime minister out of step with that sentiment was a luxury that many Japanese judged they could ill afford.)」。そのため、鳩山は辞任を余儀なくされた。
その在任中、最もあからさまに真実を衝いた発言は鳩山自身から出ている。
「トップの首相が大ばか者であれば、そんな国がもつわけがない」。
「救いがたい」という言葉は、まさにこの男のためにあるのだろう。下記エントリ参照。
■オバマの「励まし」―鳩山は解散総選挙に打って出よ
http://island.iza.ne.jp/blog/entry/1555262/
時事
「政治家がばかでは国もたぬ」=公務員研修の訓示で鳩山首相
2010/04/07
鳩山由紀夫首相は7日の国家公務員合同初任研修開講式で訓示し、入省したばかりの新人を鼓舞したが、その中で「政治家がばか者の集団では(国は)もたない」などと脱線気味に発言する場面があった。
首相は弟である鳩山邦夫元総務相が政治家を志した際、大蔵事務次官を経て政界入りした父威一郎元外相が「政治家なんてものは物ごいをする情けないばか者だ」と反対した話を紹介。
「父親は役人だったことに誇りを感じていた」と語る一方で、「トップの首相が大ばか者であれば、そんな国がもつわけがない」と繰り返した。
首相としては、政治主導への決意を示しつつ鳩山内閣の優秀さを強調したかったようだが、指導力不足や自らの発言をめぐる迷走が指摘されているだけに、新人公務員も複雑な表情だった。
誰かがネット上に流した合成写真ではないかと思うが、良くできている。
【ついでに】
ワシントンDCのジョージタウン、川縁近くにあるタイ料理店『バンコク・ジョーズ(Bangkok Joe's)』のトムヤムクン。適度の辛味でやや汗が出る。メニューによると、Chicken Lemongrass Soup with thai herb and mixed mushrooms in a hot and sour lemongrass soup.
小籠包風。メニューによると、Steamed Shrimp Dumpling shrimp, chicken, shiitake mushrooms, carrot, ginger-lime cream.
炒飯か焼きそばは頼まずにおられない、人は多いのではないか。上記3種類の組み合わせは、ランチに中々よかった(一人で食べたわけではない)。