海外で醜を競う鳩山由紀夫と輿石東 |
私が会っているのは主に保守系の人たちだが、「ノムヒョン」「ハトヤマ」という単語を口にするたび、誰の顔にも例外なく、失笑か嫌悪の表情が浮かぶ。
そのルーピー鳩山(略してアホ山)が、民主党の外交担当の最高顧問として、いま中国を訪れ、一つ覚えの「友愛」「東アジア狂同体」を説いているという。中共としては、侮蔑感は同じく抱きながらも、useful idiot(役に立つバカ者)として厚遇しているわけだろう。
民主党では、同時に別枠で輿石“男の顔は履歴書”東も訪中し、鳩山と醜を競うという念の入れようだ。輿石は近々ワシントン訪問も企図、と報じられる。外交担当の党最高顧問鳩山は心穏やかでなく、同時期の訪米を策すのではないか。
ワシントンに、鳩山と輿石がほぼ同時にライバル心むき出しでやって来る……耐え難い光景という他ない。国内、いや党内バランスだけ考えた野田首相のふざけた人事は、日本国の国益と名誉を着実に深く傷つけつつある。
産経
国益より友愛演出 民主の訪中
2012/03/24
これが「民主党外交」なのか-。輿石東幹事長と鳩山由紀夫元首相という民主党重鎮が、よりによって同じ日に北京で習近平国家副主席と個別に会談した。しかも2人はバラバラに「友好」「友愛」を強調。中国の軍事力増強や東シナ海の権益拡大などは一切触れることはなかった。
「いい話ができたのではないか。今後とも関係を発展させていきたい」
会談終了間際、輿石氏は習氏に早くも成果を強調。「地元の山梨は桃がおいしいが、福島の桃も食べてほしい」と“友達気分”で習氏に訪日を促した。
輿石氏には待ちに待った初外遊だった。すでに訪米なども計画、党幹部をずらりと率いて自らの存在感を海外に示そうと考えているようだ。とはいえ、外交はずぶの素人。友好演出に腐心するばかりで懸案事項は棚上げされた。
一方、党最高顧問に任命された鳩山氏は、「民主党の外交窓口は私だ」と言わんばかりに輿石氏らが去った後の人民大会堂に入った。しかも野田政権で葬り去られている「東アジア共同体」構想をうたい、「東シナ海を友愛の海に」と自説を披露。マイナス効果は輿石氏を上回った。
樽床伸二幹事長代行は、鳩山氏の訪中について「何の報告も受けていない」と不信感を隠さない。鳩山氏側も「輿石氏らの訪中は3月に初めて聞かされた」(周辺)と困惑するが、双方ともまともに調整した形跡はない。
結局、2人の「先陣争い」は民主党の外交能力の欠如を露呈しただけ。玄葉光一郎外相は23日の記者会見で「決して二元外交になるようなことがないような形での訪中だ。何か交渉ごとを行うわけではない」と2人を擁護したが、国益を正面から見据えることができぬようならば議員外交は慎むべきではないか。
(北京 坂本一之)