暴力的平和あるいは醜い安定―violent peace or ugly stability |
面白い表現を見かけたので紹介しておこう。
インドとパキスタンは暴力的平和あるいは「醜い安定」の状態で共存している。
両国で、建設的関係を築くべく努めている人々には失礼な言い回しだが、朝鮮半島など、多くの局面で転用できそうだ。
野田佳彦首相が、金正日死亡の感想を聞かれ、「今回の事態が朝鮮半島の平和・安定に悪影響を及ぼさないようにしないといけない」と述べたのは、「暴力的平和」「醜い安定」を容認するとも受け取れるもので、失言だった。
「今回の事態が朝鮮半島の真の平和と安定につながるよう努めます。中国ファシスト、失礼、共産党政権が北朝鮮を保護領化し、『醜い安定』を固定化する事態は許しません」なら、支持率が30%は上がったろう。
首相官邸を出る際に、記者の質問に言葉を選びつつ慎重に答える野田首相=2011年12月19日午後 (産経)
※ 引用した英語の一節は、Michael Krepon, ed., Nuclear Risk Reduction in South Asia, 2004 所収のW.P.S. Sidhu論文冒頭より。