「復興構想会議」の混乱と創造性の欠如 |
「復興構想会議」は、単に“菅”主導の混乱と無責任を増幅するに過ぎない存在であることが、発足初日から明らかになったようだ。
「増税なき復興」を掲げるぐらいの創造性は見せて欲しかったが、いきなり議長が「復興税」を示唆するなど、財務省の審議会と何ら選ぶところがない。
委員の岩手県知事が、「復興税は緊縮型の財源調達」「普通、増税すれば消費が低下する」などと「苦言を呈した」そうだが、当然だろう。
また、菅“レベル7”直人の指示に従い、原発問題は取り上げないとした議長方針が異論の噴出で撤回を余儀なくされたという。しかし、「文明がさばかれている」といったある委員の発言など聞くと、国家戦略を欠いた反原発・脱原発論に流れるのではと危惧される。
日本経済新聞
復興会議初会合、原発は任務外との指示に委員ら異論
2011/4/15 0:58
復興構想会議の五百旗頭真議長は14日の同会議会合で、福島第1原子力発電所の問題について「なお危機管理的状況にあり、それ自体があまりにも大きな問題なのでこの会議の任務から外すと菅直人首相から指示をもらっている」と説明した。
これに対し、異論が続出。哲学者の梅原猛特別顧問は「この災害は天災であり、人災であり、文明災。文明がさばかれている」と原発事故を外すことに反論した。作家の玄侑宗久委員は「別に話し合って加える形にしないと福島県民にとって会議が意味のないものになってしまう」と述べた。
また、複数の委員からは「官僚が入っていないじゃないか。ノウハウを持っているのは官僚だ」との声も出た。脚本家の内館牧子委員は「絵に描いたモチを語り合っていると国民に思われたら、東北がつぶれる。この会議が何を目指しているのか、国民に知らしめる必要がある」と述べた。
読売新聞
2011年4月15日09時54分
原発除外・官僚排除…復興構想会議、疑問相次ぐ
東日本大震災の被災地復興を論議する「復興構想会議」が14日、初会合を開き、復興計画作りをスタートさせた。
被災地から様々な要望が寄せられる中、どれだけ具体的な青写真を描くことが出来るか。官僚との調整や、広範な被害対応の財源確保など課題は山積しており、取りまとめは難航も予想される。
「原発問題も扱うべきだ」「官僚をなぜ入れないのか」
黙とうで始まった14日の初会合では、委員から会議のあり方への疑問が相次ぎ、波乱含みの幕開けとなった。
委員から最も強い不満の声が上がったのは、福島第一原子力発電所事故は「あまりにも大きな問題」だから扱わないという、会議冒頭で五百旗頭真議長が示した菅首相の方針だった。
会合後、赤坂憲雄・学習院大教授は「原発問題を引き受けずに会議が進めば、原発事故で苦しむ人から背を向けられる」と強調。脚本家の内館牧子氏も「津波、地震、原発の三つの災害だ。これを話さずに何のための復興会議か」と不満をあらわにした。このため、今後、原発問題も議論することに「転換」したという。
復興計画の実現には野党の協力も不可欠だが、その見通しも立っていない。首相は12日の記者会見で「野党の皆さんにも青写真を作る段階から参加してほしい」と協力を呼びかけたが、自民党の大島理森副総裁は14日、「会議踊れど、実のあがるものになるかどうか」と突き放した。
zakzak
菅より酷い?トンデモ発言連発…五百旗頭・復興議長は何者だ!
2011.04.15
復興構想会議議長に就任した五百旗頭真・防衛大校長が“トンデモ発言”を連発させている。東日本大震災だけでなく、阪神大震災の被災者らの感情を逆なでしかねない無神経さ。そもそも、この御仁、防大校長でありながら、首相の靖国参拝を批判し、北朝鮮による日本人拉致問題を「小さな問題」と言い放ったとされ、保守系団体などから辞任要求を突き付けられているのだ。
「がれきを使った『希望の丘公園』を造ってはどうか」
14日に開かれた同会議の初会合。五百旗頭氏はこう私案を披露した。
震災から1カ月過ぎたが仮設住宅の建設は大幅に遅れ、約15万人が避難所生活を強いられている。やっと開かれた復興ビジョンを描く会議で、犠牲者が多数発見され、震災の悲劇を思い出させるがれきを使った公園建設とは、理解困難だ。
さらに、五百旗頭氏は「16年前の(阪神大震災の)被災がかわいく思えるほどの、すさまじい震災だ」とも。今回の被害を強調したかったのだろうが、阪神大震災の被災者から反発を招きかねない発言といえる。
五百旗頭氏は1943年、兵庫県生まれ。京大法学部を卒業し、神戸大学教授や東大教授などを経て、2006年に防衛大学校長に就任した。
就任直後、当時の小泉純一郎首相の靖国参拝について「どれほどアジア外交を麻痺させ、対外関係を悪化させたか」と批判。また、大学教授の前で「(北朝鮮の)拉致なんて小さな問題にこだわるのは、日本外交として恥ずかしい」と発言したと報じられた(産経12日早版)こともある。
保守系団体は現在も、五百旗頭氏の辞職を求める活動を展開中。今後、被災地復興に向けた国民の結束を乱さなければいいのだが…。
zakzak
「菅」という人災が東北つぶす!責任転嫁の“乱立会議”機能せず
2011.04.15
「菅直人」という人災が、東日本大震災で受けた日本の傷口を、さらに広げている。復興の青写真を考える「復興構想会議」(議長・五百旗頭真防衛大学校長)の初会合が14日に開かれたが、菅直人首相(64)が震災後に次々に乱立させた「本部」や「会議」によって、政府はすでに混乱状態だ。不要な会議が組織を弱体化させるのは、サラリーマン社会では常識。「首相交代で政治空白を作るべきではない」との声もあるが、もうそんなことは言っていられない。日本は一刻も早く、菅直人という“がれき”を除去するべきだ。
「ただ元に戻す復旧ではなく、創造的な復興案を示してほしい」
菅首相は14日の会合で、こう注文をつけた。被災した岩手、宮城、福島3県の知事や都市計画の専門家、建築家ら15人が委員として出席し、「復興」が動き出した。
同会議は、6月をめどに緊急性の高い第1次提言、年内にも全体像を示した答申をまとめる方針。しかし、不安材料は多い。メンバーには官僚OBがおらず実務力が疑問視されているほか、菅政権が本部や会議を乱立させているため、「復興構想会議もその中の1つと国民に思われたら、東北がつぶれる」(脚本家の内舘牧子委員)と、早くも埋没が懸念されているのだ。
そもそも、政府・与党は3月の震災発生後、雨後のたけのこのように20もの「本部」や「会議」を設置した。しかし、1600億円もの義援金の分配さえ始まらないなど災害対策に遅れが出ているほか、東京電力福島第1原発の事故対応では海外から「遅すぎる」との批判を浴びている。
官僚は資料作りに追われ、西岡武夫参院議長は「会議が踊っている」と嘆くありさま。船頭多くして船山に登る、を地でいっている。
会議の乱立は国会でも問題視されている。自民党の佐藤正久参院議員は12日の参院外交防衛委員会で、独自に作成した「東日本大震災対策組織図」を示し、「いろいろなものができあがって責任が分散している。会議が多すぎて、何の会議か分からない。誰の指示を聞けばいいのか分からない。みんな困っている」と批判した。名前を見るとなるほど、同じ役割を連想させるものが多い。
原発事故では、土地を失ったり農産物の流通を規制されるといった直接の被害のほか、風評被害が起きている。これら経済損失の補填を担うとみられるのは「原子力経済被害対応本部」(対応本部)と「原子力損害賠償紛争審査会」(審査会)、「原子力被災者生活支援チーム」(支援チーム)のようだ。だが、このほかに「原発事故賠償チーム」の設置も予定されているという。役割分担はどうなっているのか。
同委で佐藤氏が「支援チームと対応本部の関係は」と尋ねると、田嶋要経済産業政務官は「すみません、対応本部、どれですか? 対策本部ですか?」と混乱。また、原子力損害賠償法に基づき文部科学省が所管する審査会について、佐藤氏が「所管はどこか」と聞いても、文科省の官僚は「質問通告を受けていないので…」と答えられなかった。
結局、「支援チームは物資の輸送、補給、被災者への被曝に関する医療などの確保などをする。対応本部は、その本部」(田嶋氏)ということだった。指令本部と実動部隊という区分けのようだが、いずれも本部長は海江田万里経産相。分ける必然性は感じられない。
一方、“無駄な会議”に数えられているのが、「与野党合同実務者会合」だ。民主党の岡田克也幹事長は「大変、有意義な会議だ」と胸を張るが、野党からは「岡田氏は議論の中身よりも、時間内で終わらせることを重視する」(出席者)と評判が悪い。新党改革の舛添要一代表はテレビ番組で「『協力してほしい』といいながら、野党がいい提案をしても実行しない。ガス抜きとしか思えない」と批判した。
菅首相が学者を中心とする参与を15人に増やしたことも「責任の所在があいまいになる」(民主党中堅議員)と評判がよくない。「1週間以上、開かれていない会議もある」(政府関係者)という。
タリーズコーヒージャパンの創業者で、みんなの党の松田公太参院議員は「経営者は会議を増やしたくなるものだが、内容が重なってわけが分からなくなる。こういう企業は必ず失敗する。特に緊急時の会議はひとつにして、そこですべてを決める“鍋ぶた型”の組織のほうが、素早く対処できる。与野党の党首クラスを集めた本部を作るべきです」と提案する。
政治評論家の浅川博忠氏は「民主党には野党時代から、実行できるかはともかく、議論して結論を出せば仕事をしているという気分がある。『政治主導』で官僚を排除してきた結果、有識者や学者といった人たちによる、実務を離れた机上の空論が横行し、政府が振り回されている。完全に制御不能だ。このままでは、世界から日本が見放される」と話している。
復興構想会議の五百旗頭真議長は14日の記者会見で、「復興に要する経費を考えると、国民全体が負担する必要がある」と述べ、復興税創設を検討する考えを表明した。
復興税は「検討部会」(部会長・飯尾潤政策研究大学院大教授)で集中的に議論する方向。五百旗頭氏は早期に与野党や各界から意見を聴取する方針も示した。
毎日新聞
4月15日(金)19時34分配信
「復興税」導入に苦言 岩手知事
岩手県の達増拓也知事は15日の定例記者会見で、東日本大震災復興構想会議の五百旗頭(いおきべ)真議長が提起した「震災復興税」構想について、岩手の物産品購入などを通じた支援を求めている立場から「普通、増税すれば消費が低下する」などと述べ、導入に批判的な考えを示した。
達増知事は、震災対策では思い切った財政金融政策が求められるとしたうえで、「復興税は緊縮型の財源調達」と指摘。「岩手の産物を買い、応援する余力をそがない増税があるなら可能性を検討すべきだろう。そがない予算の調達を考えてほしい」と述べた。【清藤天】
国基研での会議後よく昼食に訪れる永田町・町村会館内『さいかち』のかつ丼。値段に比して充実している。もっとも、ここの「かき揚げそば」は値段の割にかき揚げが貧弱で勧められない。