木村汎教授の北方領土コメントから―驚天動地の鳩山訪露 |
昨年11月27日に、国家基本問題研究所は、月例研究会「北方領土・踏みにじられる主権―今こそ国家意志を示せ」を行った。
今日、机上を整理した機会に、その際の基調報告者、木村汎北海道大学名誉教授の発言を記したメモから、重要箇所を抜き出しておく。私には、いずれも大変参考になった。
・ロシア側が提起する北方領土「共同経済開発案」は、ロシアが裁判権を持つとするものだ。乗ってしまったらとんでもないことになる。
・北方領土問題解決の「独創的なアプローチ」(ロシア語では「非標準的な」という表現を用いる)を云々する人がいるが、そんなものはありえない。
・ロシアはグランド・デザインに則って押してきている。メドベージェフの国後訪問もグランド・デザイン通りだ。問題は日本がスキを見せたことにある。何よりも、鳩山由紀夫首相が日本をおかしくした。菅・仙谷コンビが尖閣問題で中国に対して見せた弱腰も大きかった。菅首相はこともあろうに鳩山氏を自分の名代としてロシアに送るという誤りを犯した。まさに驚天動地のことだった。
・「段階的解決」などと言っては駄目だ。「平和条約で一気に4島返還」を主張し続けねばならない。それ以外の解決策はない。
・日本の首相は尖閣を訪問すべきだ。それで中露を分断できる。中国から見れば、「メドベージェフが国後に行くから、中国がとばっちりを受けた」という話になる。
・日米関係を修復するとともに、対中関係で毅然とした姿勢を見せることが重要だ。中露は長い国境を共有しており、デリケートな疑心暗鬼の関係にある。
・私の知り合いのロシア人は、日本は4島返還で頑張ってくれと言っている。2島や面積等分などだと日本人に不満が残り、本当の友好関係は築けない。ロシアのためにも4島返還でなければならないという意見だ。そういうロシア人もいる。
【ついでに】
東京駅1番街(八重洲口)の端にある『梅もと』のラーメン・豚丼セット520円。この辺りの飲食店は午前10時半開店が多く、早くから開いているここは時に貴重な存在となる。