Kim Jong ILL? (米ドラッジ・レポートの見出し)について |
今や、アメリカで多くの保守派が情報玄関サイトとしているドラッジ・レポートが、金正日の健康問題を扱ったABCの記事に次の“サイト見出し”を付けていた。
...Kim Jong
ILL(ill)はもちろん「病んでいる」の意味だ。
この金正日の「健康問題」については、私はかねて、「病状はどうか。あと何年生きそうか」といった評論家的・予想屋的態度ではなく、主体的姿勢で取り組むべきだと論じてきた。その意味で、上記英語見出し最後のクエスチョン・マークには疑問符を付けたい。Kim Jong DEAD.をいかに速やかに実現するかが重要なのだ。
櫻井よしこ編『日本よ、「戦略力」を高めよ』(文藝春秋)所収の拙稿から関係箇所を引いておく。
……金融制裁について一言付け加えるなら、比喩的な意味で北の宮廷経済の血流を止める効果とともに、体制の中枢中の中枢、金正日の脳髄に与える効果という点でも重要だ。
米政府は、二〇〇八年八月十一日に北のテロ支援国家指定解除を予定していた。ところが、北の核申告が不十分という理由で解除が延期される。その三日後(時差を考慮すれば二日後)の八月十四日に金正日が脳卒中で倒れた。
想像するに、「なぜ予定どおりにテロ指定が解除されない。ブッシュは完全に取り込んだはずじゃなかったのか。どういうことか説明しろ」云々と部下を怒鳴り散らしているうちに“切れた”のではないか。
北が徹底した独裁体制であることを考えれば、いかに独裁者個人の脳に打撃を与え、第二のより致命的な脳卒中を引き起こすかは、安全保障担当者の重大課題でなければならない。
あえて言えば、中長期的な効果が明らかでなくとも、瞬間的に独裁者の脳が衝撃を受ける措置なら、何でも実施すべきである。その意味でも、過去に最も効果のあった金融制裁が焦点になろう。
第一回脳卒中をめぐる想像が正しいとするなら、次に触れる「テロ支援国家への再指定」も大いに意味のある措置となる。……
Kim Jong ILLとその最大の支援者
(注)ABCの記事自体の副題も、 Delay of Country's Congress Renews Question: Is Kim Jong Ill? と最後にクエスチョン・マークが付いている。