新・死刑研究会でまず検証すべき千葉景子の「変節」例 |
下記ニュースについて
落選しながら法相に居座っている千葉景子が、「30日召集の臨時国会で野党側からの追及をかわす思惑」から「突然の変節」を見せ、二人の死刑執行に踏み切った。
その際、左翼仲間に「本心は異なることをアピール」するため、死刑制度に関する勉強会発足も同時に発表したが、早速、「執行しておいて、存廃を検討する勉強会を立ち上げるなんて、まやかし以外の何ものでもない」と反発を買っている。
千葉は、法相として初めて、執行現場にも立ち会ったという。
自らの政治的延命しか頭にない、心身とも厚化粧の俗物政治家に見つめられながら死ぬというのは、おそらく最低の死に方だろう。今回執行された二人には、ふさわしい末路だったろうが。
新たに設けられる、死刑の是非に関する研究会では、まず、千葉の「変節」の経緯を、格好の症例として詳しく検証すべきだ。
イザ!ニュース
【視点】千葉法相の死刑執行命令 政治的演出のにおい
2010/07/28
28日に就任後初めて死刑執行に踏み切った千葉景子法相は、死刑制度反対論者として知られてきた。27日にも「死刑は大変重い刑」と死刑に慎重姿勢を強調していたが、実は死刑執行の命令書に署名したのは24日のことだった。法相の職責をようやく果たしたともいえるが、国民をたばかる不意打ちだといわれても仕方ない。30日召集の臨時国会で野党側からの追及をかわす思惑も透けて見え、死刑囚の命をもてあそぶ政治パフォーマンスのにおいすら漂っている。
千葉氏は28日、死刑執行の一方で、死刑廃止を検討する勉強会を法務省内で発足させることも表明し、本心は異なることをアピールした。この日死刑となった2人は、まるで千葉氏の政治的都合のために便宜的に命を奪われたかのようだ。
千葉氏は昨年9月発足の鳩山内閣で法相に就くまでは「死刑廃止を推進する議員連盟」に参加。死刑反対の姿勢を貫き、平成元年には日本人拉致実行犯である北朝鮮の元工作員、辛光洙(シンガンス)元死刑囚の釈放嘆願書にまで署名したほどだ。
鳩山由紀夫前首相は民主党幹事長時代、「法相は死刑執行をしなければ資格はない。死刑を多くの国民が求めている時代だ」と指摘していた。千葉氏は鳩山内閣時代、「そういう(鳩山氏の)発言があったことは覚えているが、適切に対応したい」と平然と無視してきたが、そうした信念も底の浅いものだったようだ。……
asahi.com
死刑慎重派の法相、突然の執行 廃止団体「信念曲げた」
2010年7月28日
前回の執行からちょうど1年。死刑廃止派とみられてきた千葉景子法相が突然、死刑執行に踏み切った。「自らの命令」と明言し、現職法相として初めて執行に立ち会ったことも公表した。就任以来、執行命令書にサインするかは明言を避け、「国民的議論を踏まえて、道を見いだしたい」と話していた。突然の「変節」に、死刑の容認派、廃止派に波紋が広がった。
昨年の政権交代で千葉法相が就任し、死刑廃止団体の中には「執行は遠のいた」と楽観する声もあっただけに落胆は大きい。死刑廃止議連の事務局長を務める村越祐民・民主党衆院議員は「どういう変節をしたのか。落選して破れかぶれになったのか。政治家がそう簡単に信念を曲げていいのか」と批判した。
死刑廃止団体「アムネスティ日本」は前回の執行から1年経過したこの日、国民的議論を求める声明を出す準備をしていた。寺中誠事務局長は「執行しておいて、存廃を検討する勉強会を立ち上げるなんて、まやかし以外の何ものでもない」と憤った。
千葉法相が期待を持たせた面もある。昨年12月に面会した日本弁護士連合会から「執行停止の要請で大臣が会ってくれたのは初めて」と驚きの声さえ上がっていた。
だが、大臣の選択肢は少しずつ狭められていったようだ。地下鉄サリン事件にかかわったオウム真理教の井上嘉浩元幹部の上告が最高裁で棄却され、今年1月に死刑が確定するなど千葉法相の就任後も死刑確定囚は増え続けた。2月に内閣府が公表した死刑制度に対する世論調査では、死刑容認派が85%を超えた。
法務省内には、昨年始まった裁判員制度への影響を心配する声もあった。市民が苦悩の末に決めた死刑が、法相の判断で滞っては、裁判員からの批判が噴出し、制度を根本から揺るがしかねない――。法務省はそんな危機感を強め、幹部が千葉法相への説得を重ねていた。ある幹部は最近、こう語っていた。
「当初はかたくなだったが、最近は少し考える様子が出てきた」
読売新聞 2010年7月28日
1年ぶり死刑、2人に執行…千葉法相が立ち会う
法務省は28日、宇都宮市の宝石店放火殺人事件で強盗殺人罪などに問われ、死刑が確定した篠沢一男死刑囚(59)ら2人の刑を同日午前、東京拘置所で執行したと発表した。
死刑執行は昨年7月28日に3人が執行されて以来1年ぶり。「死刑廃止を推進する議員連盟」のメンバーだった千葉法相が、昨年9月の政権交代で就任してからは初めて。この日の執行により、死刑確定者は109人から107人になった。
……死刑を執行されたのは、篠沢死刑囚と、埼玉県内で4人が殺傷された事件で殺人罪などに問われた尾形英紀死刑囚(33)。
確定判決によると、篠沢死刑囚は2000年6月、宇都宮市の宝石店「ジュエリーツツミ宇都宮店」に商談を装って訪れ、店長(当時49歳)と女性従業員(同22歳~51歳)ら計6人を粘着テープで縛った上、従業員の衣服や部屋の床などにガソリンをまいて放火。店を全焼させて6人全員を焼死させ、指輪などの貴金属293点(約1億4025万円相当)を奪った。
篠沢死刑囚は公判で殺意を否認したが、1審・宇都宮地裁は02年3月に死刑を言い渡し、2審・東京高裁も03年4月、1審判決を支持。07年2月の最高裁判決で確定した。
尾形死刑囚は03年8月、交際していた少女(同16歳)を巡ってトラブルとなっていた埼玉県熊谷市の男性(同28歳)のアパートを訪れ、男性を刺殺。さらに、居合わせた男性の同僚女性(同21歳)ら女性3人を車で拉致し、同県秩父市内で1人を絞殺し、残る2人も刃物で刺すなどして重傷を負わせた。
1審・さいたま地裁は07年4月、死刑を言い渡し、尾形死刑囚は控訴したが、同年7月に取り下げて死刑が確定した。