韓国史の汚点「金大中・金正日共同宣言」から10年 |
下記ニュースについて
韓国史に巨大な汚点を残した南北「頂上会談」(2000年6月13日~15日)から10年が経った。
この時、事実上、金大中・金正日両者の側近として仕えた朴智元が、10周年記念行事で、「『李大統領は共同宣言の精神に戻ってほしい』と対北強硬姿勢を変えるよう訴えた」という。何事も学ばない人間の一典型だろう。
参考までに、拙著『アメリカ・北朝鮮抗争史』から、朴智元に触れた一節を引いておく。
首脳会談の際、金大中の補佐役を務めた朴智元(パクチウォン)文化観光相は、テーブルに座った金正日から手招きされ、駆け寄っていって腰をかがめるなど卑屈な振る舞いで、心ある人々の憤怒と憫笑を買ったが、懲りることなく、訪朝後、金正日を評して、「なごやかで、国家の政策を詳細に把握し、やさしく、政治的センスに優れた人」などと語っている。自らも太陽の熱にやられ、あらぬ幻影を見たのだろうか。まさに世紀末にふさわしい倒錯した情景であった。
イザ!ニュース
南北共同宣言から10年 度重なる挑発 北朝鮮の敵対意識に変化なし
2010/06/14 21:26
【ソウル=水沼啓子】朝鮮半島の分断後初めて開催された南北首脳会談の成果として、平和統一への努力をうたった南北共同宣言が発表されて15日で10年となる。……
民主党など野党陣営は14日、韓国政府に共同宣言の履行と南北関係改善を促す決議案を国会に提出した。また、南北首脳会談で対北特使を務めた民主党の朴智元・議員は13日の共同宣言関連行事で「李大統領は共同宣言の精神に戻ってほしい」と対北強硬姿勢を変えるよう訴えた。……
統一省報道官は14日の記者会見で、共同宣言に対する李明博政権のスタンスを記者から問われ、哨戒艦撃沈事件などに触れ、「北朝鮮が10年前も今も変わっていないことを明示している」と答えた。さらに「北朝鮮は韓国政府が共同宣言を否定していると責めているが、核開発や核実験、哨戒艦事件などさまざまな挑発で、共同宣言の精神を壊しているのはむしろ北朝鮮のほうだ」と非難した。
今月2日投票の統一地方選では親北路線の野党、民主党が勝利した。保守勢力は、北朝鮮側が韓国内の親北勢力を利用して、韓国世論を2分しようとしていると警戒。共同宣言についても「北朝鮮と“仲良くできる”という幻想を韓国人に抱かせた」と批判的だ。