西村眞悟氏の的確かつ読ませる汚沢一郎論 |
月刊『正論』3月号巻頭の西村眞悟「日本に仇なす無道の人(小沢一郎)に告ぐ」は、汚沢とかつて身近に接した西村氏の実体験に基づく必読の一文だ。
一部のエピソードは「眞悟の時事通信」平成21年5月17日号でも触れられていた。
http://www.n-shingo.com/cgibin/msgboard/msgboard.cgi?page=428
西村氏は、自由党結成に参加した時の様子を次のように記している。
新進党が解党され自由党が結成された。私は、民社党の路線をさらに推進する真の保守新党を造るために自由党結成に参加した。保守の理念を掲げた自由党は、旧社会党や公明党が加わっていた新進党で果たせなかった集団的自衛権行使を当然認める政党になるはずだった。少数でも一致団結した集団なら日本のために意義がある。
ところが、党首の小沢氏は急速に左旋回して自由党を社会党との連携にもってゆく。小沢氏には、自由党結党の際、どういう政党にすべきだという考えがはたしてあったのか。
それはなかった。小沢氏には「政党」はない、派閥があるだけだ。
……自由党の政策を実現する意思のない自自連立に意味はないという理由で連立を解消した小沢氏が、野党になったとたんに、自由党創業の同志をいとも簡単に裏切った……。
なお、「民社党の路線をさらに推進する真の保守新党」という点については、同じ『正論』3月号で、かつて民社党広報部長などを務めた遠藤浩一氏が敷衍している(ちなみに、西村氏の実父は、民社党の第2代委員長を務めた故西村栄一)。
私も学生時代以来、民社党解党まで、同党に票を投じていた一人だ。今後、平沼新党、創生『日本』(会長・安倍晋三元首相。「真・保守政策研究会」改め)などの動きに西村眞悟氏も加わり、早期に国政復帰を果たしてもらいたいと思っている。
西村氏の一文には、岡田“若葉マーク”克也外相に触れた箇所もある。平成6年の新進党結成時、「集団的自衛権行使容認」を基本政策に入れるべしという西村氏の主張が次の経緯でつぶされたという。
(自民党から出た小沢らが作った)新生党が積極的反対の中心になった。これは、意外だった。今や外務大臣をしている人物が、会議が終わったときに、得意げに「集団的自衛権を否定していただいて感謝します」と述べたのには正直憤然たる思いになった。
岡田は、陣取り合戦オタクの汚沢とは違い、理念的な左派であり、どちらかと言えば、福島“現実を”みずほに近い。
西村氏は、汚沢が「親分の田中角栄氏を見習って、金をいくら配分するか自由に決めるのが力だと思っている」上、角栄以上に悪質なことに、「公平に配分されるべき政党助成金(税金)という公金を自由にしている」点も批判している。
この最後の点については、下記エントリ参照。