ソウルで会った黄長燁氏(北朝鮮スパイのターゲット) |
下記ニュースについて
テロ国家・北朝鮮の宣伝部門「朝鮮中央通信」 が、韓国で工作活動中に捕まった女性スパイを、「犯罪者であり、カネと変態行為、いかさまに狂った人間のくず」と呼んだらしい。
すべて金正日にぴったりの表現なので、一瞬、パロディかと思ったが、そうではないようだ。
黄長燁・元朝鮮労働党書記(写真)には、私も一度、ソウル市内のアパートの一室で会ったことがある。4,5人で黄氏を囲み、一時間ばかり話をした。氏は、淀みない日本語を話す。
警戒は厳しかったが、同氏が信頼を寄せる人の案内だったため、特に所持品チェックなどはなかった。
北の民主化に尽くす姿勢をアピールし、脱北者社会で信頼を得れば、北のスパイが黄氏に至近距離まで近づくことは十分可能だろう。
“金正日の召使い”盧武鉉が大統領の時代には、工作員摘発に力を入れた韓国の情報部員は、「南北和解」に水を差す存在として、左遷されたという。
今回の件などを見ると、韓国の情報機関も、正常化しつつあるようだ。
日本の警察機関にも、大いにスパイ摘発を期待したい。
そのために必要な法整備は、政治の責任だ。来たるべき総選挙の争点となってしかるべきだろう。
イザ!ニュース
【北朝鮮女スパイ事件】労働党幹部の継父から性的暴行と供述
08/9/9 19:02更新
【ソウル=水沼啓子】脱北者を装った北朝鮮の女スパイ事件で、女の継父に当たる男が朝鮮労働党の幹部を務め、韓国に亡命した黄長燁(ファン・ジャンヨプ)元党書記の居所を探していたことが明らかになった。
男は金東順(キム・ドンスン)被告(63)で、韓国の合同捜査本部に逮捕された後、4日、国家保安法違反罪で起訴された。自宅からは1974年に入党した労働党の党員証のほか、短波ラジオや北朝鮮の最高人民会議の金永南(キム・ヨンナム)常任委員長の家族写真、黄長燁氏に関する情報が記載された手帳などが発見された。
金東順被告は、すでに国家保安法違反罪で起訴されている女スパイ、元正花(ウォン・ジョンファ)被告(34)の母親の再婚相手で、2006年12月、カンボジア経由で脱北者を装って韓国に渡った。
捜査当局が盗聴した元正花被告の電話の会話内容から、金東順被告が浮上。金被告は今年6月、黄氏が会長を務める「北朝鮮民主化委員会」を訪れ、幹部に対して「黄長燁氏に会うことができるのか」「黄氏はどこにいるのか」と黄氏の居所などを聞き出そうとした。
さらに7月には、脱北した知識人の団体「NK知識連帯」に加入し、会合に参加して幹部と名刺を交換したり、写真撮影を行ったりしていた。
金東順被告が工作資金の調達にかかわっていた疑いもある。03年12月から06年1月まで、中国で約10億ウォン(約1億円)相当の北朝鮮産冷凍タコやワラビ、絵画などを元正花被告に提供していた。
金東順被告は、北朝鮮のナンバー2、金永南氏とは遠戚関係にあるとされ、平壌美術大学を卒業後、朝鮮革命博物館の建設工事などでの功績が認められ、勲章を受章している。
捜査本部の調べに対し、金東順被告は「スパイではなく、ただの脱北者」と主張しているという。一方、元正花被告は「幼いころ、(金東順被告から)数回にわたって性的暴行を受けた」と供述しているが、金東順被告は強く否認しているという。
両被告について、北朝鮮の朝鮮中央放送は3日、「祖国平和統一委員会」の報道官談話として、女スパイ事件は「でっちあげ」と指摘し、元正花被告に対しては「罪を犯して逃亡した犯罪者であり、カネと変態行為、いかさまに狂った人間のくずである」と伝えた。金東順被告については、「一定の職業を持たず、数十回にわたって職場を変え、あちこちをほっつき回った無職の与太者」と非難している。