李明博政権を動かす方法 |
本日、午後6時~8時過ぎまで、都内・友愛会館において、「韓国の政権交代を拉致問題解決にどう生かすか」と題した、救う会主催のシンポジウムが行われた。
韓国保守派が期待する気鋭のジャーナリスト金成昱(キム・ソンウク)氏、および韓国情報部で長年北と戦ってきた洪熒(ホン・ヒョン)氏(早稲田大学客員研究員)の二人がメイン・ゲストである。
金成昱氏のペーパーから、結論部分を少し引用しておこう。
1月17日、李大統領は、日本人拉致問題と関連して、「日本の場合、拉致問題が重要だろう。これは今後、北朝鮮との対話を通じて順調に解決していけるのではないかと考えている」と言った。
これは、拉致問題の重要性を認めたという点で、金大中・盧武鉉政権とは質的に違うということを意味する。しかし、北朝鮮と対話を通じて解決できるという夢想的対案を提示して限界もあらわした。
李明博政権は、日本人拉致問題を含む対北問題で、金大中・盧武鉉のような「悪党」ではない。だからといって多くの人たちが望むような「勇士」ではない。問題意識はあるが、行動はきちんと伴わない「臆病者」という表現が適切のように見える。
韓国と日本の自由民主主義勢力の使命もここに出てくる。「悪党」は言葉で分からすことはできず、戦わなければならない対象だが、「臆病者」は分からせて勇気を与え、「悪党」と戦うようにさせなければならない対象だ。
金成昱氏は以前、李明博は敬虔なクリスチャンで、北を邪悪と認識しているはずと期待を寄せていたが、かなり評価を下方修正したようだ。
集会後、洪熒氏にその点を尋ねると、「李明博は、要するに、宗教にも『実用主義』で接しているんですよ」と苦笑いしていた。
金・洪両氏とも、「李明博には原則と基準がない」とし、「結局、アメリカが親北に振れれば親北に行き、アメリカが反北に振れれば反北に行くだろう」と予想している。
アメリカが宥和的にならぬよう圧力を掛けるのが日本の役割、との発言もあった。
日本が、北朝鮮問題で韓国政府に「意見」する形になると反発を買う。
アメリカに対して原則的立場から強く釘を刺すことで、ひいては韓国・李明博政権の姿勢をも正すのが、日本にとって戦略的に正解というわけだろう。
それを、「友だちが嫌がることは言わない」を信条とする福田首相を突き動かして実現せよ、というのは相当厳しい注文だ。