ライス 「単独インタビュー」 の力不足 |
来日中のライス米国務長官に対するNHK(年輩の解説委員)とフジテレビ(安藤優子氏)の「単独インタビュー」を見たが、どちらも、アメリカで言うところの「ソフトボール」(やさしい球)質問に終始し、沖縄での米兵不祥事や副大統領候補の可能性など、答の分かり切った芸のない質問で、時間を空費していた。
あえて「単独」と銘打つほどの特徴や意気込みが、ほとんど感じられない。
北朝鮮がらみでは、テロ支援国指定解除と拉致問題の関係について訊いたのは、当然とはいえ、評価できる。
しかし、その後のフォローアップが弱すぎる。というより、二の矢、三の矢がまったくなかった。
例えば、国務省の「年次・国際テロ報告」が、北のテロ指定の理由に拉致を挙げてきたこととの整合性を問うべきだし、核問題でも、リビアのテロ指定解除の場合と比べあまりにハードルを低下させた(しかも、なし崩し的に)点を突かねばならない。
ジャーナリストなら、まずソフトボールから入るにしても、その後はハードボール(きつい球)で攻め続け、場が緊張し過ぎたと思えば一球ソフトボールで息を抜く、ぐらいの“配球”で臨むべきだろう。
福田首相も、ライス氏との会談で、例によってソフトボールに終始したようだ。「日本、くみしやすし」というのが、ライスが持ち帰った印象ではないか。
相手が避けたのかも知れないが、たとえば櫻井よしこ氏や誰か新進気鋭の記者あたりにインタビューをさせたかった。