どうなるか。 北京での福田首相 「生中継講演」 |
下記ニュースについて
イザ!ニュースより(抜粋)
講演生中継、主席が夕食会…中国、福田首相を「異例の歓迎」
2007/12/25
福田康夫首相の27日からの訪中に向け、中国側が、首相の講演の生中継……を設定するなど、日本の首相に対する扱いとしては異例の手厚さで福田首相を迎える準備を進めている。……
福田首相は、到着翌日の28日に人民大会堂前での歓迎式典に出席した後、胡主席、呉邦国・全国人民代表大会常務委員長(国会議長)、温首相のトップ3と相次いで会談。また北京大学で日中関係について講演する予定で、中国中央テレビを通じて全土に生中継される見通し。……(共同)
福田首相と胡錦涛の夕食会、温家宝との朝食会などに期待するものは何もないが、中国全土に生中継される講演というのは大変重要な機会だ。
当然、中国共産党が展開する歪曲著しい反日教育への批判や、中国人も北朝鮮に拉致されている事実などを、講演中に盛り込まねばならない。それができれば、日本国内のみならず、国際的に福田氏の評価は大いに高まるだろう。
が、はっきり言って期待薄だ。
むしろ、親中共的なブレーンおよび外務省主導で、一方的な謝罪を並べた村山談話が強調されるなど、反日教育を後押しする中身となりかねない。
2002年2月、やはり北京にある清華大学(胡錦涛の出身校)で講演の機会を与えられたブッシュ米大統領は、教科書記述の問題点などにはっきり注文を付けている。
福田「講演」が、ブッシュのスピーチより後退したものとなるなら、日本にとって不名誉な話だ。
以下、旧稿から、ブッシュの講演に関する部分のみ抜き出して再掲しておく。
http://island.iza.ne.jp/blog/entry/243782/
『月曜評論』2002年3月号
ブッシュ演説に「やめなさいと言明」しなかった中国
島田洋一
妖しい中国ニュースの世界
先の東アジア歴訪で日本、韓国に次いで中国を訪れたブッシュ米大統領は、二月二二日、清華大学において学生、教職員、その他政府関係者を前にスピーチを行った。中国側は、その模様を検閲もせず生中継で全土に流した。すでに中国は十分開放的な社会だと世界にアピールする狙いがあったのだろうが、何はともあれ、歓迎すべきことだ。
もっとも、毎日放送される中国中央電視台のニュースなどを見ていると、江沢民主席がどこどこで重要演説を行い、そこで示された三つの基本原則に今後の中国社会発展のカギがある、各界各層において真剣な学習と討議が求められるといった類の「党・政府通達」が中心を占めており、いまだ報道統制のレベルには相当なものがある。
妖艶なメイクを施した驚くほど美人のアナウンサーが、「あくどい独立策動に出た台湾当局」を激しく鞭打つようなニュース原稿を読んだりすると、思わず高級SMクラブにでも迷い込んだかと錯覚しそうになる。
ブッシュ大統領も演説の中で、「中国国民が必ずしもアメリカの姿を正確に捉えていないことに懸念を抱いている」とし、責任の一端は、ハリウッド映画や米テレビ番組がアメリカが有する真の価値観を描き出していないことにあるとしながら、次のように中国当局の言論・教育政策を批判している。
私の友人である駐中大使が、中国の教科書に、アメリカ人は「弱者を脅し貧者を抑圧している」と記述しているものがあると教えてくれた。昨年出されたばかりの別の中国の教科書は、「働く人々の抑圧」にFBIの特殊要員が使われていると教えている。さて、このいずれもが真実ではない。旧時代の残滓ということかも知れないが、これらの表現は誤解を与えるものであり、有害だ。……
FBIや警察当局の職員についていえば、彼ら自身が働く人々、犯罪や腐敗との戦いに命を捧げて働いている人々である。
日本の首相も、ブッシュ大統領に見習い、今度訪中した際には、せめて日本関連のおかしな教科書記述や報道における歪みについては、記者会見の場などではっきり指摘すべきだろう。
(引用終わり)