危惧される首相周辺の「先制降伏」ムード |
「拉致議連・家族会・救う会」の一員として訪米(11月11日~18日)、その後、いくつか原稿の執筆、東京での報告集会(22日)、大学の授業等でやや忙しく、ブログの更新も滞りがちだったが、今後、訪米中のエピソードなど紹介していきたいと思う。
われわれの訪米に先立ち、10月下旬に外務省の谷内(やち)事務次官がワシントンを訪れ、ネグロポンテ米国務副長官(写真)と会談、北朝鮮のテロ支援国家指定解除への懸念を伝えたという。
ところが、色よい返事がもらえず、会談後の谷内氏は意気消沈し“青菜に塩”のようだったという(谷内氏に会った元米政府高官の話)。
また、斎木昭隆・特命全権公使(かつて北朝鮮当局とタフに向き合ったことで知られる)とも訪米中数回会ったが、「どうも斎木さんに元気がない」「指定解除は阻止できないと見て、敗戦処理モードに入ったようにも見える」などの声が周りから聞かれた。
外務省内でも、最も筋を通すタイプである上記二人の幹部が、簡単に闘いを諦めるとは思わないが、首相の姿勢がはっきりしないだけに、補佐役に元気がないというのは憂慮すべき事態だ。
一方、訪米団(先発隊)が面談したジョン・ボルトン前国連大使からは、状況を厳しいと見つつも、終始、戦闘ムードが感じられた。
「今日、サム・ブラウンバック上院議員と会って、色々話し合った。同議員と会う予定はあるか」と聞かれたので、「会う予定だ」と答えると、「それはいい」と大きく頷いていた。
ボルトンとブラウンバックは、ライス・ヒル路線に対抗するハードライナーたちの中心に位置する人々だろう(ブラウンバック議員には次回エントリで触れる)。
ボルトンの新著のタイトルは、『降伏は選択肢ではない』(Surrender Is Not an Option)である。
少なくともわれわれの訪米団は、「先制降伏」「敗戦処理」ではなく、終始“Surrender is not an Option.”をモットーに活動したつもりである。米側の同志からも、「実によい時期に来てくれた」という反応があった。
インテリがもうダメだと「分析」するような状況下、無理して頑張っているうちに何とかなるということが、世の中には多いのだ。