ヒルに「日本を叱って」と頼む大前研一の植民地根性 |
評論家の大前研一氏が、拉致問題について非常に浅はかなことを書いている。
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/a/106/
一部のみ引用しておこう。
日本が核問題に関与できていないのはなぜか。誤解を怖れずはっきり言おう。「拉致被害者は生きている」という建前があまりにも災いしているのだ。(中略)
確かに、拉致された被害者のうち、数人はまだ生きている可能性はある。しかし、拉致被害者の家族が訴えるように、40数人全員が北朝鮮で生きているというのは、希望的観測に過ぎるのではなかろうか。しかしそれを口に出すことは難しい。それが日本の言霊信仰の恐ろしいところだ。
わたしはヒル国務次官補から政府の担当者に「日本よ、いい加減に目覚めよ」と言ってほしいと思っている。それを言わないから、この問題がいつまでも終わらない。(後略)
「はっきり言おう」と大きく振りかぶった上で、「数人はまだ生きている可能性はある」と生存者を数人に限定しているが、何の根拠も上げておらず、要するに無責任なハッタリに過ぎない。
例えば、少なからぬ人が「すでに死亡」という印象を何となく抱いているらしい曽我ミヨシさん(ひとみさんの母)についても、私は、生存と考えるのが合理的だと思っている。そのことは以前のエントリにも書いた。
http://island.iza.ne.jp/blog/entry/353138/
かつて渡部昇一氏が、独善的で愚かな言論人を批判するのは、ところ構わずゲロを吐く男の後を掃除してまわるようなもので、吐く方は簡単だが、掃除の方は常に骨の折れる作業になる述べていて、納得したことがある。
このところ、拉致問題について、自称ジャーナリストや三流政治家が、無責任な論を吐くことが続いており、まさに掃除が大変な状況だ。
本ブログでもいくつか“掃除エントリ”を書いた。
いくつか挙げておくと、田原総一郎
http://island.iza.ne.jp/blog/entry/379295/
民主党参院議員の川上義博
http://island.iza.ne.jp/blog/entry/370723/
民主党衆院議員の前原誠司
http://island.iza.ne.jp/blog/entry/367253/
少し古いところでは、伊豆見元静岡県立大教授
http://island.iza.ne.jp/blog/entry/341595/
などである。
大前氏は最後に、「ヒル国務次官補から政府の担当者に『日本よ、いい加減に目覚めよ』と言ってほしい」と述べ、合理的思考と情の欠如に加え、植民地根性まで露呈している。
ヒル氏に何事かを懇願する日本人がまだいるとは思わなかった。情けない情景である。