六者猿芝居「第二段階の措置」――核でも日本はハードラインを |
本日午前11時半過ぎ、参院本会議の代表質問で福田首相が、拉致問題に進展が見られない現状において六者協議の枠組みでの対北エネルギー支援に日本は参加できないと述べていた。当然のことながら、正しい判断である。
昨日発表された六者猿芝居「第二段階の措置」を外務省ホームページから以下に引いておく。
最大の問題は、核施設「無能力化」の定義がまったくなされていないことだ。
「専門家グループによって推薦される具体的な方法は、六者すべてが受入れ可能であり、科学的、安全、検証可能かつ国際基準と整合的であるという原則に沿って、首席代表により採択される」とあるのみである。
今後、他の国がどれだけ曖昧な姿勢を取ろうとも、日本政府は「解体・海外搬出」という線を主張し、それが実現する場合のみ必要コストを負担するとの態度で臨むべきだ。
北の核ミサイル最大の標的は日本である。
拉致問題ともども、核問題においても、日本政府は安易な妥協をしてはならない。「六者すべてが受入れ可能」な方法でなければならないということは、日本にも拒否権があるということだ。徹底抗戦を望みたい。
「第二段階の措置」の意味するところは、少なくとも今年年末までの事態先送りが合意され、その間、韓国政府から北に対する援助が続き、中国からもそれなりの物資が流れ、アメリカ政府からも5万トンの重油を献上されるということだ。
日本だけが制裁を継続する。後生の歴史家多数は、日本の立場を評価するだろう。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/kinkyu/2/20071003_204431.html
共同声明の実施のための第二段階の措置(仮訳)
平成19年10月3日
(前略)
……
Ⅰ.朝鮮半島の非核化について
1.朝鮮人民民主主義共和国は、2005年9月の共同声明及び2007年2月13日の成果文書の下で放棄される対象となるすべての既存の核施設を無能力化することに合意した。
2007年12月31日までに寧辺の5メガワット実験炉、寧辺の再処理工場(放射化学研究所)及び寧辺の核燃料棒製造施設の無能力化は完了される。専門家グループによって推薦される具体的な方法は、六者すべてが受入れ可能であり、科学的、安全、検証可能かつ国際基準と整合的であるという原則に沿って、首席代表により採択される。他の五者の要請により、アメリカ合衆国は、無能力化の活動を主導し、それらの活動のための当初の費用を提供する。その第一歩として、アメリカ合衆国は、無能力化を準備するため今後2週間以内に訪朝する専門家グループを主導する。
2.朝鮮民主主義人民共和国は、2007年12月31日までに、2月13日の成果文書に従って、すべての核計画の完全かつ正確な申告を行うことに合意した。
3.朝鮮民主主義人民共和国は、核物質、技術及びノウハウを移転しないとの約束を再確認した。
Ⅱ.関係者の間での国交の正常化について
1.朝鮮民主主義人民共和国とアメリカ合衆国は、二者間の関係を改善し、完全な外交関係を目指すことを引き続き約束した。双方は、二者間の交流を増加し、相互の信頼を強化する。アメリカ合衆国は、朝鮮民主主義人民共和国のテロ支援国家指定を解除する作業を開始し、朝鮮民主主義人民共和国に対する対敵通商法の適用を終了する作業を進めることについてのコミットメントを想起しつつ、米朝国交正常化のための作業部会の会合におけるコンセンサスを基礎として朝鮮民主主義人民共和国がとる行動と並行してコミットメントを履行する。
2.朝鮮民主主義人民共和国と日本国は、平壌宣言に従って、不幸な過去を清算し懸案事項を解決することを基礎として早期に国交を正常化するため、誠実に努力する。朝鮮民主主義人民共和国と日本国は、そのために、両者間の精力的な協議を通じ、具体的な行動を実施していくことを約束した。
Ⅲ.朝鮮民主主義人民共和国に対する経済及びエネルギー支援について
2007年2月13日の成果文書に従い、朝鮮民主主義人民共和国に対し、100万トンの重油(既に供給された10万トンを含む)に相当する規模を限度とする経済、エネルギー及び人道支援が提供される。具体的な態様については、経済及びエネルギー協力のための作業部会における議論を通じて決定される。
……
(以下略)