待たれるハードライナー(ネオコン)の復権 |
下記ニュースについて
小沢一郎氏は、大人(たいじん)の風格を漂わそうと腐心しているが、理念、主体性を欠いたニセモノである(あるいはニセモノになってしまった)ことは明らかだ。
氏のおよそユーモアを感じさせない、すなわち余裕のない皮肉は、ニセモノ性をごまかすための小策であって、実に聞き苦しい。
凶悪テロ集団アル・カイダ、およびそれに隠れ家と訓練キャンプを提供してきたタリバン政権(自体、テロ集団)をつぶすのは正しい行為である。
彼らイスラム・テロ集団が、世界における自由民主主義体制の無力化、破壊を狙っている以上、日本も、今後引きつづき、テロの拠点つぶし、残党狩りに、応分の貢献をせねばならない。
サダム・フセイン、息子のウダイ、クサイを中心とするイラクの暴虐な体制を倒し、中東民主化への道筋を付けるというのは、正しい行為であった。
最近、米民主党系の専門家二人 ( Michael O’Hanlon, Kenneth Pollack) が現地調査を踏まえて、意外にも、「必ずしも『勝利』ではないにせよ、アメリカ人およびイラク人がそのもとで生きていける持続可能な安定を生み出しうる可能性を見出した」とする論説を、これまた意外にも、反ブッシュの牙城ニューヨーク・タイムズが載せ(7月30日)、リベラル方面に衝撃が走った。
その後現地を訪れたカール・レビン上院外交委員長(民主党)も、同様の報告を行っている。
「ネオコン」が主導したブッシュのイラク政策はみじめな失敗で、中東の民主化など所詮夢物語云々と決めつけるのは、大いに早計だろう。
米軍は、犠牲に耐え、「アメリカこそ最大のテロ勢力」といった単純な中傷に晒されつつ、よくやっていると思う。
アフガニスタンに巣くうタリバン、アル・カイダに打撃を与え、イラクのレジーム・チェンジを実現するというブッシュの決断は、歴史に残る功績だと思う。
リベラル派が「ネオコン」と揶揄する対テロ戦ハードライナー、チェイニー、ラムズフェルド、ウォルフォウィッツ、ボルトンらは、戦術的な謬りはそれなりにあったにせよ、基本的に、正当な理念、戦略に基づいて行動していた。私はそう思っている。
イラクにおける掃討戦の不調、中間選挙での民主党勝利などで、彼らが影響力を低下させたのは残念だった。
国務省が主導権を握って以来の、対北朝鮮政策の迷走、譲歩に次ぐ譲歩を見るとき、米国のハードライナー後退を歓迎する日本の「識者」らが一体何を考えているのか私には分からない。
ボルトンが主張するように、レジーム・チェンジを目指した金融制裁の強化こそが必要だった。ところが、六者協議のテーブルに北を戻すため、圧力を緩めるという、河野洋平的「アメと無知」外交の方へ、アメリカ政府は動いてしまった。
今こそ、日米、特にアメリカにおけるハードライナーの復権が必要だ。それを、日本発の動きとして推進できるかどうかが、安倍政権にとって重要課題となろう。
Asahi.com
「安倍内閣は脳死状態」 小沢民主代表が講演で
2007年08月21日19時41分
民主党の小沢代表は21日、都内で自らが主宰する「小沢一郎政治塾」で講演し、参院選敗北後の安倍政権について「臨時国会がいつ開かれるのか、政府も当事者能力がなくなったのか、脳死状態なのか、うんともすんとも言わなくなったが、来月には国会を安倍内閣が無事なら開くのだろう」と皮肉った。
小沢氏は、テロ対策特別措置法の延長反対を表明していることについて「シーファー駐日米大使に『(延長に賛成)できない』と言ったのは、私個人としてではなく、党として決めたことを説明しただけだ」と述べ、昨年末に同党がまとめた政権政策の基本方針に沿った判断だと説明。「ブッシュ米大統領は『米国の戦争で国際社会の同意はいらない』と言った。今になって国際社会に助けてくれというのは論理的におかしい」と、改めて反対の理由を強調した。