現実に害をなしはじめた小沢流・国連崇拝 |
(下記ニュースについて)
参院選での民主党大勝を受け、小沢一郎氏の浅はかな国連崇拝主義が、現実に日本の安全保障を損ないかねない展開となってきた。
「アフガニスタンでの戦争は米国の(自衛)戦争だとブッシュ大統領は言われた。日本の直接の平和・安全と関係ない所へ部隊を派遣することはできない」とする一方で、NATO諸国などが、国連決議に基づく国際治安支援部隊をアフガニスタンへ派遣している点を指摘し、「国連に認められた活動に参加したい」と述べたという。
国際テロ対策の文脈で自衛隊を海外に派遣するに当たっては、ある活動が、①どれだけテロ勢力封じ込めに有効であるか、②自衛隊員にとっての危険はどの程度か、が何よりも中心的な判断基準になるべきだろう。
国連決議で認められた活動には参加する、そうでない活動には参加しないというのは、主体的判断の放棄に他ならない。
ある問題について国連安保理決議が成立するかどうかは、たとえば、拒否権をもつ中共政権の態度いかんによる。
小沢流の国連至上主義は、日本の安全保障政策の一定部分を中共の意向に委ねることとイコールである。
国際政治は流動的であり、国連決議ができた瞬間から、また事態は刻々変化する。ある時点の国連決議に無批判に寄りかかっているようでは、臨機の外交はできない。
小沢氏が、今回の対応を対米自主外交の実践と意識しているなら、危うい話である。
ところで、ほとんどすべての加盟国が支持する安保理決議案でも、アメリカ一国が反対すれば通らないという国連の現実を、小沢氏はどう認識しているのであろうか。
小沢流・国連絶対主義のもとでは、日本人の多くが、そして各国政府の多くが、加えて小沢氏自身もが、賛成する国際行動であっても、アメリカ一国が反対すれば諦めるしかないことになる。
これは一種、究極の対米従属ではないのか。
まあ、理念なき政局のみの人、小沢一郎に似つかわしい外交方針ではあるだろう。
イザ!ニュース 07/8/8
ブッシュ発言引用…小沢氏、原則盾に反対を言明 テロ特措法延長
民主党の小沢一郎代表は8日、党本部でシーファー駐日米大使と会談した。大使は、11月1日で期限が切れるテロ対策特別措置法の延長を求めたが、小沢氏は認められないとの考えを伝えた。
大使はテロ特措法について「超党派で考えてほしい。日本の貢献は非常に重要で、国際安全保障だけでなく、日本自身の安全保障にも役立っている」と訴え、同法に基づく海上自衛隊艦船の派遣延長を要請。「(海自などの)活動部隊は国連の下に構成されている。党首が最終決断するのに必要なら、機密情報でも提供する準備がある」と述べた。
しかし、小沢氏は「われわれの考え方の基盤は憲法だ。9条の解釈から、自衛権行使は日本が攻撃を受けたり、急迫不正の侵害を受けたりした場合に限る。アフガニスタンでの戦争は米国の(自衛)戦争だとブッシュ大統領は言われた」と述べ、同法延長反対を明言した。
さらに小沢氏は、NATO(北大西洋条約機構)諸国などが、国連決議に基づくISAF(国際治安支援部隊)をアフガニスタンへ派遣している点を指摘し、「国連に認められた活動に参加したい。これは米国にマイナスの話ではない」と述べた。
大使は、テロ対応は国際社会の問題で、海自派遣が国連安保理決議に基づくものとの解釈を強調したが、小沢氏は「私どもの解釈では、国連決議が認めたのはISAFだけだ」と述べ、会談は平行線をたどった。
会談は約45分間行われ、報道陣に公開された。大使は会談後、記者団に「私が話した点を踏まえ、民主党が最終決断することを希望したい」と述べた。