召使いの御機嫌伺い(南北「首脳」会談)にニュース価値なし |
金正日が韓国に来るというなら、ある意味でチャンスだが、盧武鉉が北へ行くというのは、召使いが目上筋に御機嫌伺いに行くというだけの話で、南北「首脳」会談などと銘打つ価値はない。
前回の金大中・朝貢外交の時と同様、まず、金正日が居丈高に、韓国内における反北運動への取り締まりが甘い、このまま帰ってもらっていいんだ、などと恫喝気味に機先を制し、次いで、今回は、「解決済みの拉致問題を政治利用し、過去を反省しない日本」叩きを肴に、それなりに盛り上がるのだろう。
おそらく金正日の健康状態(脂肪の付き具合、顔色、歩きながらよろけるか、しゃべりながら息が上がるかなど)が多少の見所になるかといった程度のサル芝居に過ぎない。
韓国人拉致被害者を放置して顧みない盧武鉉に、日本人拉致問題でメッセージを託しても意味はない。
下手に見返りを要求されないよう、日本としては、今回の南北野合会談に一切関知しないのが正解だ。
会談に水を差さないよう日本単独の追加制裁をしばらく控える、といった配慮も無用である。
むしろ、盧武鉉がピョンヤンにいる間に、追加制裁を実施するなら、南北が日本非難で一体感を強め、会談の盛り上がりに寄与するだろう。
あえて悪役を演ずることで、南北会談のヒートアップに貢献するというのも、ある種の外交的配慮といえよう。