韓国人による優れた慰安婦論(再掲) |
本ブロクに以前載せ、「論文集」フォルダーに入れてある「アメリカはどう動くか(24)」(『現代コリア』2007年5月号)から、慰安婦問題に関する韓国人識者のすぐれたコメントを取り上げた部分のみ、再掲しておく。
とりわけ、韓国において、一貫して強制連行説を批判してきた安秉直(アン・ビョンジク、写真)ソウル大名誉教授の、「安倍首相は、厄介だから謝っておこうという態度を取ってはならない。それは韓国の議論をミスリードする」という言葉は重い。
韓国人による優れた慰安婦論
慰安婦問題について、最近、二人の韓国人(一人は米国在住のコリアン・アメリカン)の筋の通った議論に接し、すがすがしい思いをした。
一人は、ソウル大学名誉教授で経済史の大家、現在、ニューライト財団理事長を務める安秉直氏、もう一人は、ワシントンで長年人権運動に取り組む「北朝鮮自由連合」副代表ナム・シヌ氏である。
安教授とは、昨年9月まで数年間、福井県立大学で同僚の関係にあったが、今年3月にソウルを訪れた際、改めて長時間、韓国の政治状況や歴史に関し有意義な話が聞けた。
その内、慰安婦問題に関する安教授の発言を、以下、メモ風に書き留めておく。
「関係者に依頼され、聞き取りも含め詳しく調査したことがあるが、私の知る限り、日本軍が女性を強制動員して慰安婦にしたなどという資料はない。貧しさからの身売りがいくらでもあった時代に、なぜ強制動員の必要があるのか。合理的に考えてもおかしい」
「売春は本来暴力や詐欺行為が渦巻く世界だ。どこであれ、売春に関して悲惨な話が出てくるのは当然だ」
「兵隊風の男がやってきて、といった証言もあるが、当時、兵隊のような服を着た人間はたくさんいた」
「昨年、テレビでこうした見解を語って袋だたきにあったが、今後も同じことを言う。強制動員を示す資料はないというのは事実で、曲げようがないからだ。ニューライト財団の人々は、おおむね私の考えを理解している」
「安倍首相は、厄介だから謝っておこうという態度を取ってはならない。それは韓国の議論をミスリードする」。
もう一人のナム・シヌ氏は、盧武鉉一派やチーム・ヒルを厳しく批判し、安倍政権の北朝鮮政策を高く評価する立場から、「現に中朝国境地帯で、脱北女性がセックス・スレイブにされている事実に目をふさいでいる連中が、慰安婦問題など過去の話を持ち出して善人ぶるのは、偽善の最たるもので許しがたい」など、大いに安倍擁護に回ってくれているらしい。
四月末の安倍首相訪米が、彼ら在米人権活動家を一段と鼓舞する、価値観外交の名にふさわしいものになって欲しいと願っている。……
なお、下記エントリ参照。
■韓国人フェミニスト(朴裕河)による、慰安婦問題についての正論
http://island3.exblog.jp/22013600/